坊さんブログ、水茎の跡。

小さな寺院の住職です。お寺の日常や仏教エッセーを書いてます。普濟寺(普済寺/栃木県さくら市)住職。

2019-01-01から1年間の記事一覧

半畳(二畳台)を御奉納いただきました。

歳末の日曜日。お墓参りの方々を見かけます。私もお墓を歩いてみると、 ミツマタ ミツマタの蕾を見かけました。春はもうすぐですね。 ミツマタ定義和紙の原料にするため,畑に栽植する落葉低木.被子植物門 双子葉類(綱) ジンチョウゲ科中国原産.高さ約1…

お寺の御朱印帳を作りました。

玄関先のナナミノキ。 ナナミノキ 赤い果実が目を引きます。ナナミノキという名前は、果実が美しいという意味で「七実の木(ななみのき)」「名の実の木(なのみのき)」から名づけられたとも言われます。関東地方では珍しい植物でしょうか。。。 ナナミノキ…

令和2年の「住職手帖」を用意しました。

今朝も霜が降りました。 凍てつく庭先にも、小さな花が咲いています。春先のタンポポのように目に留まります。今年も残りわずかとなり、来年の手帳を用意しました。これまでは長年、吉川弘文館の「歴史手帳」を使っていました。 www.yoshikawa-k.co.jp 「歴…

薬師堂の外廊下を修理しました。

ほころび始めたロウバイ(蝋梅)の木に、カラスウリ(烏瓜)が絡みついています。 カラスウリ 朱色の実に目が留まります。今日は冬至。夏のお盆のホオズキ(鬼灯)のように、真っ暗闇を照らしてくれるでしょうか。 冬至(とうじ)一年で夜の時間が最も長くな…

日本酒「辯天」の日めくりカレンダー

寒椿が咲いています。 寒椿 種類によって色の変化がありますね。寂しい庭に彩りを添えてくれています。この時期には、来年のカレンダーをいただくことがあります。その一つがこちら。 カレンダー 山形の地酒「辯天」(べんてん)の日めくりカレンダーです。…

「時間」のお話⑥~未来永劫、億劫になるほどの長い時間~「法の水茎」90

万両のとなりには千両です。 千両 色の変化が楽しめますね。万両はサクラソウ科(またはヤブコウジ科)ヤブコウジ属、千両はセンリョウ科の常緑小低木です。 さて、今回の『高尾山報』の文章は、引き続き「時間」をテーマに、「劫」(ごう)という、人間には…

学位取得のお祝いを頂きました。

今日、12月13日は「正月事始め」の日です。 万両 千両・万両は、正月の縁起物ですね。 正月事始め旧暦12月13日に行われていた、正月を迎えるための準備をする行事。現在の暦では12月8日、あるいは13日に行われることが多い。かつてはこの日に正月の松飾りに…

根来寺の信仰、興教大師覚鑁のお姿

冬至が近づき、ずいぶん日が短くなりました。午後4時を過ぎるともう真っ暗です。 山門の明かりを灯しても。。。暗いですね。この時期はなるべく早めのお参りをオススメいたします。夏にお堂をお掃除しながら目にした掛け軸。Facebookのほうでコメントをいた…

如意輪観音の石仏、十九夜講の女性の信仰。

今日も氷点下の朝を迎えました。霜が朝日にきらめく中、真っ赤なバラが咲いています。 薔薇 歌の歌詞ではありませんが、寂しかった庭が明るくなりました。お寺の山門を入ると、バラのように艶やかな前掛けをした六地蔵尊がお出迎えです。右に曲がると山門に…

お寺でドローンを飛ばしていただきました。

ここ数日は関東地方北部を震源とする地震が多いようです。先ほども栃木県北部で震度4の揺れを観測しました。 高原山 今日は高原山も遠く眺めることができましたが、この辺りの地下が活発化しているのでしょうか……少し心配です。 山門の木々もすっかり葉を落…

お寺の掛け軸を紹介させていただきました。『唱導文学研究』第12集(三弥井書店、2019/11/25発行)

今日の冷え込みで、イチョウも紅葉もすっかり葉を落としました。 日当たりにもよるのでしょうか、弁天さまの近くはまだ色づいています。落ち葉を掃き清めながら、秋の名残を楽しみたいと思います。先日、普濟寺に伝わる鴨長明(1155~1216)絵像の掛け軸につ…

台風で被害を受けた池の補修工事を行いました。

先週は見頃を迎えていた普濟寺の紅葉。 寺前橋から ここ数日の雨に打たれて、ハラハラと散っています。 紅葉のジュータン 散り敷く庭も美しいですね。錦のジュータンのようです。もう少し眺めたら、きれいに掃き清めようと思っています。さて、先月の台風で…

パワーストーン。木の化石の台座を奉納いただきました。

午前中の山門。紅葉を通った木漏れ日が、石段に降り注いでいます。 週末は天候もぐずつくようです。青空のもとでの紅葉狩りも、今年は終わりでしょうか。さてお寺の本堂には「木の化石」を置いています。「木化石」(もっかせき)とか「珪化木」(けいかぼく…

「時間」のお話⑤~指を打ち鳴らす間に、光の道を探して~「法の水茎」89

お寺の紅葉がだいぶ色づいてきました。 紅葉越しのイチョウです。負けじと色を変えているようです。 秋本番にお墓参りはいかがでしょうか。陽が当たるお昼前から午後にかけての時間帯がオススメです。皆さまのお参りをお待ちいたしております。 さて、今回の…

息子の七五三の御祈祷を受けに高尾山薬王院へ

5歳になる息子の七五三で、八王子の高尾山薬王院をお参りしました。平日ということもあり、自坊を車で朝の7時過ぎに出発して、9時過ぎには高尾山口に着きました。有り難いことに、麓の不動院では大山隆玄御貫首様に御挨拶させていただきました。大勢の方で混…

普濟寺コンサート~縁~、箏と三味線の音色に包まれた昼下がり。

玄関先にツバキが咲きました。 ツバキ 淡いピンク色が控え目です。立冬を過ぎて、少しずつ冬の足音も近づいてきました。11月10日(日曜日)に、普濟寺コンサート~縁~を行いました。演奏家の田辺明さんをお招きしての、箏&三味線の演奏会です。 山門から …

『徒然草』を読もう。今年度のオープンカレッジが一区切りとなりました。

池の近くのウメモドキ。 ウメモドキ 花や葉が梅に似ているところから名づけられたそうです。秋の深まりとともにずいぶん葉が散って、赤い実が目立ってきました。今年度の水曜日は、午前中は大正大学での講義、午後は大東文化大学に移動してオープンカレッジ…

水神様が住まう清水で、井戸埋めの祈願をさせていただきました。

紅葉を前にして、秋菊が咲いています。 菊(キク)の語源は、「一年の最後に咲く花」という意味の「窮まる(きわまる)」からとも言われます。思えば、今年ももう残り2ヶ月となりました。大安の今日。近隣のお宅で、井戸埋めの祈願をさせていただきました。5…

10年ぶりの法要で父の冥福を祈りました。

石段脇の柚子の木。たわわに実っています。 柚子の木 トゲに気をつけながら、少しずつ収穫したいと思います。先日、近隣の多くのお坊様方が集まって、10年ぶりとなる法要が営まれました。 正式名称は、真言宗智山派栃木北部教区壇信徒連絡協議会「会員物故者…

昨年の話になりますが……博士の学位を取得しました。

ホトトギスの花が咲いています。 ホトトギスの花 お地蔵様も秋の虫の音を楽しまれているようです。さて私事の事後報告で恐縮ですが、昨年、博士(日本文学)の学位を取得することができました。タイトルは『中世密教文学の研究』というものです。有り難いこ…

永代供養のお墓をめぐって

駐車場の傍らに十月桜が咲いています。 十月桜 4月上旬と10月頃の年2回咲く桜です。目立ちませんが、咲いてくれると嬉しくなります。さて、最近はお墓事情も変わってきたようです。この辺りでも、永代供養のお墓についての話題が出るようになってきました。 …

喜連川仏教会の研修旅行。高尾山薬王院を参拝しました。

台風19号が過ぎ去った15日、高尾山薬王院を参拝してきました。 地元の「喜連川仏教会」という集まりの日帰り研修旅行です。総勢32名。普濟寺は高尾山薬王院の法類寺院です。私を含め、総代さんなど7名が参加しました。喜連川仏教会は、旧喜連川町にあるお寺…

「時間」のお話④~鹿の鳴き声、短い秋を謳歌して~「法の水茎」88

台風が過ぎ去って、強風が残っています。 コスモス コスモス(秋桜)も大きく風に揺れています。短日植物の代表の一つとされるコスモス。少しずつ日が短くなっていることを教えてくれます。 【短日植物】 日照時間が短くなると花をつける植物。キク・コスモ…

台風19号の爪痕

大型の台風19号による暴風雨。深夜のエリアメールで、近くを流れる江川が氾濫したことを知りました。 さくら市からのエリアメール すぐには避難できなかったので、少しでも裏山から遠い部屋で眠ることにしました。ただ、崖崩れなども心配でなかなか寝付けま…

杉の木を伐採しました。

本堂前のコルチカム。 コルチカム 秋のお庭を彩るお花です。 空に向かって可憐に咲いています。そんな中、台風19号が関東地方に近づいてきました。大型で非常に強い台風です。 台風進路図 青丸が自坊のあたりです。朝の予想では、ちょうど真っ直ぐこちらに向…

古井戸を埋め戻すお祈りをさせていただきました。

彼岸明けから咲き出した彼岸花も終わりを迎えています。 漢字で「旬」は10日間を表しますが、次の季節へと移ろってきました。今日は午後から、近隣の旧家にお邪魔してきました。 田園風景が広がる、眺めの良いお宅です。 この度、リフォームを行うにあたり、…

お堂が動物(ハクビシン)の寝床となっていました。

庭のツリバナの実が鮮やかです。10月を迎えて、晩夏から秋に移ってきました。 ツリバナ 赤い実が垂れ下がってくることから、ツリバナ(吊り花)と名づけられました。花言葉は「片思い」。これから葉っぱも色づいてくるでしょう。控え目にうつむく実も、ます…

納経をいただきました。

本堂前に白芙蓉が咲いています。 白芙蓉 花言葉は「繊細な美」。今日一日で終わる「一日花」に愛おしさを感じます。お参りくださった女性が、写経を納めてくださいました。 のう‐きょう[ナフキャウ]【納経】 現世の安穏や来世の幸福を祈り、また死者の追善…

お盆とお彼岸の熨斗袋(のし袋)表書きの書き方について

秋晴れのよいお天気です。 柿の実も色づいてきました。お盆の棚経の続きとして、お彼岸にお檀家まわりをして頂いたお布施を、御本尊様にお供えさせていただきました。日頃より普濟寺の護持運営にご協力くださり心より御礼申し上げます。薬師堂の修理など、寺…

萩之坊乗円筆「鴨長明絵像」(石川丈山歌賛)について

お中日を過ぎて、秋のお彼岸も後半に入ってきました。 彼岸花 彼岸花も、キレイに咲いています。お地蔵様も微笑んでいますね。 さて、今回もお寺に伝わる掛け軸を紹介したいと思います。 中世隠者の一人、鴨長明(1155~1216)の絵像です。 鴨長明かもの-ち…