今日の冷え込みで、イチョウも紅葉もすっかり葉を落としました。
日当たりにもよるのでしょうか、弁天さまの近くはまだ色づいています。
落ち葉を掃き清めながら、秋の名残を楽しみたいと思います。
先日、普濟寺に伝わる鴨長明(1155~1216)絵像の掛け軸について書かせていただきました。
絵は、松花堂昭乗(1584~1639)の弟子にあたる萩之坊乗円(1612~1675)が描き、絵の上部には、石川丈山(1583~1673)による長明の和歌が書き加えられているものです。
この度、この絵像に関する拙稿「萩之坊乗円筆「鴨長明絵像」(石川丈山歌賛)について」が、『唱導文学研究』第12集(三弥井書店、令和元年11月25日)に掲載されました。
www.miyaishoten.co.jp
『唱導文学研究』は12集で完結とのことです。
寺院内部・周縁の唱導活動から、それと直接・間接にかかわった文学活動を、文献実証を重んじながら「唱導」・「唱導文学」の世界を広く研究する、唱導研究会の成果を論攷編(唱導・唱導文学研究・唱導と文学)・資料編(注釈・翻刻・影印)という二本の柱にそって集成したシリーズである。第十二巻で完結!
「三弥井書店」ホームページより
私はこれまで、7・8・9・12集の4冊でお世話になりました。
・「智積院新文庫蔵『〔根来説草集〕』をめぐって ― 『可笑記』と『宝物集』、唱導のための抜書本の可能性 ―」(第7集、2009年5月)
・「東京大学史料編纂所蔵『連々令稽古双紙以下之事』筆録者考 ― 東寺宝菩提院俊雄の可能性 ―」(第8集、2011年5月)
・「東寺観智院金剛蔵『亮恵伝授記 西院』」(第9集、2013年12月)
・「萩之坊乗円筆「鴨長明絵像」(石川丈山歌賛)について」(第12集、2019年11月)
私のような者にお声がけくださり、こうした執筆の機会を与えてくださりましたこと、たいへん有り難く、深く感謝しております。
『唱導文学研究』第12集の全体の目次です。
〔論攷編〕
「秀範─聖海」相承(地方拠点寺院蔵)資料の周辺──近時過眼資料の紹介と展開── 牧野和夫
比叡山内論義と大衆 佐藤愛弓
『今昔物語集』と法相宗修験 原田信之
堅牢地神説の展開──降魔成道譚をめぐって── 児島啓祐
『神道集』の法脈──編者の周縁を尋ねる── 福田 晃
『アイ嚢鈔』の〈神護寺縁起〉──「我邦ハ神国トシテ、王種未タ他氏ヲ雑エズ」──小助川元太
馬飼文化と観音信仰──英雄叙事詩としての「田村麻呂」── 福田 晃
近世期における祢津氏嫡流の家伝について──新出の祢津氏系図を端緒として── 二本松泰子
〔注釈編〕
『神道雑々集』下冊八「大宮本地事」 山本 淳
〔資料編〕
萩之坊乗円筆「鴨長明絵像」(石川丈山歌賛)について 髙橋秀城
叡山文庫蔵『随身抄』解題・翻刻(抄出) 大島由紀夫
最終巻(第十二集)「あとがき」 福田 晃
書店でも売り出されました。
よろしければ図書館などでもお求めいただけますと有り難く存じます。
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最後までお読みくださりありがとうございました。