彼岸明けから咲き出した彼岸花も終わりを迎えています。
漢字で「旬」は10日間を表しますが、次の季節へと移ろってきました。
今日は午後から、近隣の旧家にお邪魔してきました。
田園風景が広がる、眺めの良いお宅です。
この度、リフォームを行うにあたり、床下から古井戸が見つかったとのご連絡を受けました。
井戸を埋めると災いがある〈俗信・俗説〉
井戸は人の生活にとって大切なものであり、神が宿っていると信じられていた。どうしても埋めなければならない時は、青竹の節を抜き取って井戸の中央に立ててから埋めればよいという。〔古今俚諺類聚(1893)〕〔分類一覧俚諺全書(1907)俗説に関する俚諺〕
『故事俗信ことわざ大辞典』に拠る
という、ことわざもありますが、埋める前にお経を唱えてほしいとのことで、大安のこの日、ご指名を受け伺わせていただきました。
築百年以上のお宅です。
手前の古井戸の奥にポンプらしきものがあるので、数十年前までは使われていたのでしょうか。
蓋がしてあったようですが、朽ちてしまったのかもしれません。風通しの良いお宅でしたが、思い返せば年中湿気もあったようです。
深さは8メートルにも及びます。
井戸の底はまだ、水をたたえていました。
私自身、恥ずかしながら、実際の井戸埋めの場に立ち会わせていただくのは初めてのことでした。あらためて、「水天供」(水天法)や「井戸埋秘法」を学んで臨ませていただきました。
すいてん‐く【水天供】
密教で、水天を供養して祈願する法。主として雨を祈るもの。水天法とも。
『例文 仏教語大辞典』「水天供」の項
ご先祖様の喉を潤し、命をつないできた井戸に感謝して、香華を供えてお祈りさせていただきました。これから先の、幾世代にもわたる益々のご隆昌を心よりお祈り申し上げます。
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