今日も氷点下の朝を迎えました。
霜が朝日にきらめく中、真っ赤なバラが咲いています。
歌の歌詞ではありませんが、寂しかった庭が明るくなりました。
お寺の山門を入ると、バラのように艶やかな前掛けをした六地蔵尊がお出迎えです。
右に曲がると山門に向かいます。
この六地蔵尊の隣にあるお堂は、私が子どもの頃から馬頭観音をお祀りしていると聞いていたお堂です。
ばとう‐かんのん【馬頭観音】
《梵 Hayagrīva》六観音・七観音の一。宝冠に馬頭をいただき、忿怒(ふんぬ)の相をした観音菩薩(ぼさつ)。魔を馬のような勢いで打ち伏せ、慈悲の最も強いことを表すという。江戸時代には馬の供養と結び付いて信仰されるようになった。馬頭明王。
『デジタル大辞泉』「馬頭観音」の項
『国史大辞典』「馬頭観音」「図版」より引用
けっこう恐いお顔をしていますね。
では、このお堂にお祀りされている仏様はどうかというと。。。
石仏です。
前に積み上げられた石は、昔の子どもたちが投げ入れたもので、うまく台座に乗るかどうか遊んでいたそうです。
お顔もあたりは磨り減っていますが、恐そうなお顔ではないですね・・・頬に手を添え、右足を立てて座っています。
台座の下には、このように刻まれています。
縦に「十九夜塔」、横に「女人講中」と見えます。
横側には「万延元年/申 十月吉日」とあり、1860年10月に作られたものであることが分かります。
この「十九夜講中」については、最近お寺でいくつかの掛軸が見つかり、ブログにも書かせていただきました。
こちらは、如意輪観音様が描かれた、女人講中の掛軸です。
にょいりん‐かんのん【如意輪観音】
《梵 Cintāmai-cakraの訳》六観音・七観音の一。法輪をもって一切の願望を満たし、苦しみを救う。形像は頭頂に宝荘厳があり、多くは六臂(ろっぴ)で、如意宝珠と宝輪などを持つ。
『デジタル大辞泉』「馬頭観音」の項『国史大辞典』「如意輪観音」「図版」より引用
優しいお姿です。
このお堂の石仏ともそっくりですね。
お堂は参道の入口にあり、お堂と六地蔵の間には馬頭観音の石碑もあることから、これまで馬頭観音が祀られていると思っていましたが、あらためて如意輪観音菩薩が祀られたお堂であることを確認しました。
あわせて、江戸時代から続く女性の信仰の篤さを知ることができました。
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最後までお読みくださりありがとうございました。