坊さんブログ、水茎の跡。

小さな寺院の住職です。お寺の日常や仏教エッセーを書いてます。普濟寺(普済寺/栃木県さくら市)住職。

2019-03-01から1ヶ月間の記事一覧

「笑顔」のお話②~真顔から微笑みへ、笑う門には福来たる~「法の水茎」15

今日は目まぐるしく天気が変わる一日でした。 母子地蔵 法事中に雨音が強くなったかと思うと、お墓参りでは陽が差し込んだり。。。この季節ならではの天候です。今回の文章は、前回に続いて「笑顔」をテーマに、幸せの意味、身近な人の慈愛について書いたも…

「笑顔」のお話①~アルカイック・スマイル、微笑みに敵なし~「法の水茎」14

春休み中は小さなお子さんもお参りに訪れます。ロウソクにお線香をかざして火をつけたり、鐘を鳴らしたり。。。全てが興味津々。お寺にお子さんの元気な笑い声が響き渡るのは嬉しいものです。 薬師堂の前の花 今回の文章は、これまでと少し視点を変えて、「…

「五大」のお話~悟りの世界、永遠に変らないもの~「法の水茎」13

春の天気は変わりやすいですね。 昼間は暖かかったかと思うと、夕方からは冷え込んで。。。まさに「三寒四温」の陽気です。 椿 まだまだ冬の名残も残っています。これからいよいよ、桜の季節へと向かいます。今日の文章は、これまで書いてきた「地・水・火・…

「空」のお話②~枯渇した心に潤いを、慈しみの雨・身を知る雨~「法の水茎」12

東京は桜が満開のようですが・・・栃木の満開は1週間後でしょうか。 花を浮かべて 水屋の水面に春の花が浮かんでいたら。。。それは4歳の息子のイタズラです。お花がかわいそうだと言っているのですが、どうにもお気に入りのようです。さて今日の文章は、「…

「空」のお話①~西行と明恵、人の心は空のように~「法の水茎」11

今日も暖かな一日でした。 水屋前の梅 良い香りです。今日の文章は、「空」をテーマに、西行法師と明恵上人との対面で語られた歌論義について書いたものです。 ※ ※ 「法の水茎」11(2013年5月記) 最近、空を見上げたのはいつですか?季節は今、田植えを終え…

「地」のお話②~花祭り、桜、自然の息吹を感じて~「法の水茎」10

日に日に春の草花が咲き出しています。 色とりどり 今日の文章は、前回に続いて「地」をテーマに、お釈迦様の誕生を祝う花祭りや、自然の息吹に触れることの大切さについて書いたものです。6年前に書いたものですが、4月号ということで、これからの季節に合…

「地」のお話①~東日本大震災への思い、鴨長明『方丈記』、芥川龍之介『本所両国』~「法の水茎」9

お彼岸中は、明るい月が 輝いていました。 お彼岸中の満月 今日の文章は、「地」をテーマに、東日本大震災について書いたものです。震災の日は、お寺の行事(普濟寺春季大護摩祭)の前日でした。激しい長時間の揺れに、境内の灯籠はすべて崩れ落ちました。次…

「火」のお話②~月の兎伝説とは~「法の水茎」8

お寺からは、広々とした田畑が一望です。 高台からの眺め 今日は春のお彼岸最終日。これから農作業が忙しくなります。今日の文章は、「火」をテーマに、お釈迦様の前世をめぐって書いたものです。 ※ ※ 「法の水茎」8(2013年2月記) お釈迦様が横たわる姿に…

「火」のお話①~御護摩と初日の出、炎と光~「法の水茎」7

お寺の池には水芭蕉も咲いています。 水芭蕉 水芭蕉の真ん中の白いところは仏炎苞(ぶつえんほう)と言います。これは、光背(こうはい)と呼ばれる、仏像の後ろの光をかたどった装飾に似ているから名づけられたとか。春の陽光に照らされるお姿は、まさに後…

お寺のホームページ~創建は金枝城の守りとして~

そろそろ梅の季節も終わりでしょうか。 参道の梅の花 お寺ホームページを作ってから1年になります。 www.fusaiji.netGoogleマイビジネスで作りました。最近はインターネットで検索されてからお参りくださる方も多いようです。ホームページは1ページのみのシ…

「風」のお話③~貧女の一灯、信仰心の強さ~「法の水茎」6

東京で桜が開花しましたが……栃木は風の強い一日でした。 修行大師像 今日はお彼岸の中日です。旧暦では2月15日。お釈迦様の亡くなられた日です。日本に古くから伝わる「月の兎」伝説のように、今宵のおぼろ月夜は、私たちに何を教えてくれているのでしょう。…

「風」のお話②~お経は風の音~「法の水茎」5

今日は暖かな一日でした。全国に先がけて長崎市内の桜の開花が発表されました。 桜一輪 やはり栃木は寒いのでしょうか。 お寺の庭には、やっと河津桜が一輪ほころびました。今回の文章は、前回に続いて「風」をテーマに、仏さまの風と、お経の声とのかかわり…

「風」のお話①~高尾山の天狗、飯縄大権現の眷属として~「法の水茎」4

お墓の道沿いにミツマタが咲いていました。 ミツマタ 今回の文章は、「風」をテーマに高尾山の天狗ついて書いたものです。 ※ ※ 「法の水茎」4(2012年10月記) 今年も秋がめぐってきました。高尾山の樹齢800年の大杉原にも、色づいた紅葉を誘いながら、秋の…

「水」のお話②~西行の滝行、言葉の罪~「法の水茎」3

境内に春が満ちあふれています。 境内のしだれ梅 かぐわしい香りが漂い、鳥の囀りが聞こえています。今回の文章は、水にかかわる滝行について書いたものです。よろしければお読みいただけますとありがたいです。 ※ ※ 「法の水茎」3(2012年9月記) 人間、誰…

「水」のお話①~文覚の滝行、不動明王の御加護~「法の水茎」2

お寺のしだれ梅が見ごろを迎えています。 しだれ梅 かぐわしい香りです。 ※ ※ 「法の水茎」2(2012年8月記) 高尾なる 緑もふかき のり法の山 飯縄の御威 永遠に変わらじ これは高尾山薬王院の御詠歌です。「高尾山は深山幽谷の仏法のお山であり、ご本尊飯縄…

春の行事が終わりました~普濟寺の春季大護摩祭、ケーナ奏者のRenさんをお招きして~

先日の3月9日に、普濟寺恒例の春季大護摩祭という行事が執り行われました。この行事は、毎年3月の第2土曜日に行われます。 火炎 事前に、このようなチラシを作りました。 案内 当日は風もなく晴天に恵まれました。御縁のある多くの御住職様に御助法いただき…

プロローグ~自己紹介を兼ねて、かたじけない涙~「法の水茎」1

高尾山薬王院から月一で連載している仏教エッセーをアップしていきたいと思います。 なかよし地蔵 東京の八王子市に高尾山という標高599メートルのお山があります。都心からも近く学校の遠足やハイキングで登った方も多いのではないでしょうか。 山の中腹に…

プロフィール~お寺に生まれて、得度から住職へ~

始めに簡単なプロフィールを書いてみます。 昭和47年(1972)、栃木県の小さなお寺の一人っ子として生まれました。小さい頃から読書が好きで、日本の昔話や偉人伝などを好んで読んでいました。お寺ということもあり、大人と接することには慣れていましたが、…