坊さんブログ、水茎の跡。

小さなお寺の住職です。お寺の日常や仏教エッセーを書いてます。

法の水茎

弘法大師空海のお話⑱ ~ あらゆる不安を取り除く「蝉折の笛」、能登地方の被災地に響き渡りますように ~ 「法の水茎」140

朝からミゾレが降っています。 今週は寒い日が続いています。梅も開花も一休みでしょうか。天気予報によっては「菜種梅雨」と呼ばれますが、今年はやはり暖冬なのですね。 なたね‐づゆ【菜種梅‐雨】菜の花の咲く3月下旬から4月にかけて、連日降りつづく寒々…

弘法大師空海のお話⑰~お大師さまの和歌「さとりとは」 ~ 「法の水茎」139

お地蔵様の頭上に葉っぱが掛かっていました。 千両でしょうか。視界が遮られているのでお取りしようかと思いましたが……これから降ってくる雪を防いでくれるかもしれないとも思い、そのままにしておきました。 さて、今回号もお大師さまの和歌をめぐって書い…

弘法大師空海のお話⑯~ 陸奥の山塩伝承、お大師さまと西行の和歌も含めて ~ 「法の水茎」138

玄関先の石仏様。頭の上に鳥が乗っていました。 見づらいかもしれませんが、お分かりになりましたでしょうか。居心地が良いようですね。さて、本日(12月21日)は「納めの大師」(終いの弘法)の日です。今回は陸奥国伝わる山塩伝承について、お大師さまの和…

弘法大師空海のお話⑮ ~ 高野山での一休和尚、気取らない軽やかさ ~ 「法の水茎」137

お檀家さんがお持ちくださった菊の花。毎日の水やりが日課です。 ずいぶん花が大きく開いてきましたね。見頃を迎えています。 さて、今月の「法の水茎」も「弘法大師空海のお話」です。今回は高野山上での一休さんの逸話について書いてみました。お読みいた…

弘法大師空海のお話⑭ ~ 黄金に輝くお大師さまの身体は大日如来そのもの ~ 「法の水茎」136

こちらの花はタイワンホトトギスでしょうか(台湾杜鵑草)。 青空に向かって上向きに花を咲かせています。 いつの間にか、すっかり秋めいた庭になりました。さて、今月の「法の水茎」も「弘法大師空海のお話」です。心の中に輝く月と、お大師さまが密教の教…

弘法大師空海のお話⑭ ~ 験競べの結末、悲しみのない「果て」を見据えて ~ 「法の水茎」135

今日は彼岸の入り。朝からお墓参りの方もいらしています。名にし負う彼岸花も咲き始めました。 これから彼岸の中日に向けて、日に日に咲き出してくるのでしょう。お彼岸中、私のほうは棚経に歩きます。お盆中に伺えなかったお檀家さんのお宅をめぐります。ど…

弘法大師空海のお話⑬ ~ 修円僧都の茹栗、法力の験競べ ~ 「法の水茎」134

植えたわけでもないのに夏水仙(ナツズイセン)が咲き出しました。 雨上がりの雫に濡れています。花が咲く時期に葉が無いことから「裸百合」とも呼ばれるそうです。 今月の「法の水茎」も「弘法大師空海のお話」です。今までの空海伝とは一風変わった、法力…

弘法大師空海のお話⑫ ~ 竜王の雨、お大師さまが始めた祈雨の修法 ~ 「法の水茎」133

大雨や猛暑など、全国的に異常気象が続いています。被害に遭われた皆さまにお見舞い申し上げますとともに、一日も早い復旧を心よりお祈りいたします。今日はこれまでの暑さもいくぶん治まり、心地よい風が吹き渡っています。ヤマユリが揺れています。 豪華で…

弘法大師空海のお話⑪ ~ 水田を潤す治水工事、父母のように慕われて ~ 「法の水茎」132

梅雨入りして雨の日が続いています。梅の実もたわわに実っています。 お寺には古木の梅が数本あります。高いところには手が届きませんが、重さにして20キロ以上は収穫できそうです。 さて、いよいよお大師さまのお誕生日が近づいてきました。今月の「法の水…

弘法大師空海のお話⑩ ~ 「入定留身」、深い瞑想に入ったままのお姿 ~ 「法の水茎」131

石仏様も着飾っていらっしゃるようです。 心なしか嬉しそうに見えますね。さて今月の「法の水茎」も「弘法大師空海のお話」です。お大師さまにとっての「入定」について書いてみました。お読みいただけましたら幸いです。 ※ ※ 「法の水茎」131(2023年5月号…

弘法大師空海のお話⑨ ~ 「降誕」と「入定」、お釈迦様とお大師様の恩徳を慕って ~ 「法の水茎」130

玄関先にある、この時期に色づく紅葉です。 秋を感じて不思議な気分になりますね。石段脇の山吹も見頃を迎えました。 お参りの方を歓迎しています。さて今月の「法の水茎」は、お釈迦様の誕生を祝う「花祭り」と、引き続いて「弘法大師空海のお話」を書いて…

弘法大師空海のお話⑧ ~ 三鈷の松、密教の根本道場としての高野山金剛峯寺 ~ 「法の水茎」129

気温の上昇とともに、スイセンもぐんぐん伸びてきました。 いろいろな草花が日に日に咲き出してきました。昼はウグイスや山鳩、夜はフクロウの声も聞こえてきて、鳥たちも春の訪れを待ち望んでいたかのようです。池の鯉も泳ぎ始めました。 昨年、アオサギに…

弘法大師空海のお話⑦ ~ 誓いを込めて投げた三鈷杵、答え合わせの旅路 ~ 「法の水茎」128

今日は涅槃会。普濟寺にある「涅槃図」を本堂に掲げました。 本日もお参りの方に見ていただけて有り難く思いました。 普濟寺蔵「涅槃図」の過去記事です。 www.mizu-kuki.work さて今月の「法の水茎」も「弘法大師空海のお話」です。唐(中国)から投じた三…

弘法大師空海のお話⑥ ~ 弘法にも筆の誤り、筆で命を吹き込む ~ 「法の水茎」127

マンリョウ(万両)の実が鮮やかです。 新年を迎えて、花言葉のように寿(ことほ)いでいるかのようです。今年も成人式の時期となりました。 迎えられた皆様に心よりお祝いを申し上げますとともに、今後のご活躍を心より祈念いたします! 今月の「法の水茎」…

弘法大師空海のお話⑤ ~ 独自の書風を築き上げた名人 ~ 「法の水茎」126

今朝はずいぶん冷え込みました。境内には霜柱(しもばしら)。 氷点下まで下がったのですね。いよいよ冬の到来です。 今月の「法の水茎」も「弘法大師空海のお話」です。書に秀でていた超人的なお姿を読んでみました。お読みいただけましたら幸いです。 ※ ※ …

弘法大師空海のお話④ ~ 惜しみなく密教を授けた恵果阿闍梨、空海に特別な何かを感じて ~ 「法の水茎」125

紅葉の季節も後半を迎えています。 夕日に照らされると輝いてキレイですね。もう少し秋の風情を楽しみたいと思います。今月の「法の水茎」も「弘法大師空海のお話」です。青竜寺の恵果阿闍梨より真言密教の奥義を全て授かるまでを書いてみました。お読みいた…

弘法大師空海のお話③ ~ 海の道を進むこと三千里、恵果阿闍梨との出会い ~ 「法の水茎」124

ここ数日は、最低気温が一桁台に下がってきました。木々も少しずつ色づいてきて、栃木の山沿いでは紅葉の見頃を迎えているようです。お寺の境内では、今年も十月桜が咲いています。 植物は季節を違えませんね。目立ちませんが、清楚な花びらに心癒やされてい…

弘法大師空海のお話② ~ 真っ直ぐな求道心、真言密教の道へ ~ 「法の水茎」123

お彼岸の一週間を迎えています。明日はお彼岸の中日。私もお墓参りをして、ご先祖様に思いを馳せたいと思います。石段沿いの彼岸花。 どんなに異常気象が続いても、草花は季節を違えることがありませんね。まるで、お参りの方をお迎えしているかのようです。…

弘法大師空海のお話① ~ 神童と呼ばれた幼少期 ~ 「法の水茎」122

お盆入りの日。台風近づく空模様のもと、ナツズイセンが咲いています。 夕方には、ご先祖様をお迎えしました。炎が揺らめいています。 穏やかでお静かなお盆をお過ごしいただければと思います。さて「法の水茎」のほうは、今月から「弘法大師空海のお話」と…

「無財の七施」のお話⑦ ~ 房舍施、温かくもてなす場所を用意する ~ 「法の水茎」121

夏の太陽が戻ってきたようです。 石仏さまの横顔。 お花も明るく輝いています。 先日の両親の法事で供えた花を、永代供養塔にも飾らせていただきました。 8月のお盆も近づいてきました。ご先祖様のお帰りを待ち望みます。 さて、今月の「法の水茎」は「日常…

「無財の七施」のお話⑥ ~ 床座施、雨薫る六月、譲る心の美しさ ~ 「法の水茎」120

紫陽花が見頃を迎えてきました。 色とりどりの花の色が、まるで花火のようです。さて、今月の『高尾山報』「法の水茎」は120回目となりました。書き始めてから、丸10年の月日が流れました。これまで何度か穴を開けそうになりました(父母が亡くなったときや…

『法の水茎』が掲載されました ~ 武蔵野書院「Book Guide」(2022(令和4年)early summer) ~

雷雨の一日。池の睡蓮がキレイに咲いています。 雨を受けて艶やかです。これからますます咲いてきますね。先日、武蔵野書院「Book Guide」(2022(令和4年)early summer)が届きました。こちらが表紙です。 私の先輩の書籍が表紙を飾っています。中程には…

「無財の七施」のお話⑤ ~ 心施、心からの慈しみを抱いて ~ 「法の水茎」119

雨の似合う花が咲いています。 苔の絨毯に佇む仏さまも、優しいお顔をなされています。 今月の『高尾山報』は「創刊700号」「佐藤秀仁貫首晋山記念特集」となっています。こちらが表紙です。 穏やかな春の日の厳かな記念のお写真です。ますますのご加護とご…

「無財の七施」のお話④ ~ 身施、この身を捨てて他に尽くす ~ 「法の水茎」118

雨上がり。心地よい朝を迎えました。 八重のサトザクラも、青空に雨の雫を乾かしているかのようです。 今月の『高尾山報』「法の水茎」は「奉仕」がテーマです。「無財の七施」の四つ目は「身施」。自分の身を捨ててでも他人のために尽くす「利他行(りたぎょ…

「無財の七施」のお話③ ~ 言辞施、心からの優しい言葉を ~ 「法の水茎」117

お彼岸初日は冷たい雨の一日となりました。本来なら今日は満月の日ですが、どうやら厚い雲の彼方に隠れてしまっているようです。先日の地震で倒れてしまった永代供養塔近くの力石。 大きな揺れでしたね。今日は雨の中を、とある方が、さっそく直してください…

「無財の七施」のお話② ~ 和顔施、辛い世の中でも微笑みを絶やさずに ~ 「法の水茎」116

庭を眺めていたら猫がのぞいてきました。 いつもの野良猫。のんびりとお散歩でしょうか。今日、2月15日はお釈迦様が亡くなられた日(涅槃会)です。普濟寺にも大きな涅槃図があります。 ありとあらゆる生きものが、お釈迦様の死を嘆き悲しんでいる様子が描か…

「無財の七施」のお話① ~ 眼施、相手を分け隔てなく思いやりの心で見つめる眼差し ~ 「法の水茎」115

新年の年始回りも一段落しました。 お檀家の皆さま、ありがとうございました。本年のご健康とご多幸を心よりお祈りいたします。『高尾山報』「法の水茎」は、今回から「無財の七施」をテーマとして書いてみようと思います。最初は「眼施」。慈しみの眼や、胸…

「道」のお話⑭~ 正直の道、誰にでも誇れる財産 ~ 「法の水茎」114

冷え込みの厳しい朝。気温も氷点下まで下がりました。 庫裏の前にはバラが一輪咲いていました。まるで霜柱に負けまいと、白色を競っているかのようです。今年最後の『高尾山報』「法の水茎」です。これまで書き進めてきた「道」をテーマとする文章も、今月号…

「道」のお話⑬~ まことの道、 自然の中に「真の友」を見出す~ 「法の水茎」113

紅葉の見頃も終盤を迎えています。イチョウの落葉とともに目を落とせば、地表にも可愛らしい花が咲いていました。 間もなく落ち葉のじゅうたんに、隠れんぼしてしまうかもしれませんね。さて、今月の『高尾山報』「法の水茎」も「道」がテーマです。自然の営…

「道」のお話⑫~ 雲の道、心の雲を消し去り「光の雲」に包まれる ~ 「法の水茎」112

今日あたりから気温が下がってくるようです。来週月曜日は十三夜。澄んだ空気の中で、どのようなお姿を見せてくれるでしょうか。庭先で少し色づいた紅葉を見つけました。 今は緑とのコントラストが楽しめる時期でもありますね。これから来月にかけて、一日一…