坊さんブログ、水茎の跡。

小さな寺院の住職です。お寺の日常や仏教エッセーを書いてます。普濟寺(普済寺/栃木県さくら市)住職。

永代供養のお墓をめぐって

駐車場の傍らに十月桜が咲いています。

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十月桜

4月上旬と10月頃の年2回咲く桜です。
目立ちませんが、咲いてくれると嬉しくなります。

さて、最近はお墓事情も変わってきたようです。
この辺りでも、永代供養のお墓についての話題が出るようになってきました。

【永代供養墓】

供養する子孫が絶えた際に、寺や霊園が永久的または一定期間管理し、供養を行う墓。

[補説]合葬の形をとるものが主流で、納骨堂や霊廟(れいびょう)などに納骨される形式のほか、従来型の墓で一定期間供養した後に合葬される形式などがある。

『デジタル大辞泉』「永代供養墓」の項

 
跡継ぎがいないご家庭だけではなく、親の近くに住んでいても、お墓そのものを守ることが負担となっている若い世代の方もいるようです。

そこで、永代供養墓がどのようなものか、いくつかの石材店の方に基本的なことを伺ってみました。

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永代供養墓の例

いろいろな形があるようですが、このようなものが一般的でしょうか。
値段もピンキリで、数百万円からとのことです。すぐに作れるものではなさそうですね。いずれ、必要に迫られたら考えてみたいと思います(最近はこのようなものを建てずに、樹木葬も増えているようです)。

もし作るとしたら場所は、

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十月桜や紅葉の側が良いでしょうか。
お地蔵様の横の小道を登って、

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石段を背後に臨む、日当たりの良いこの辺りを整地したらどうだろう……などと勝手に想像しますが、きっと遠い将来ですね。

これからは、墓じまいや永代供養が増える時代となるでしょうか。あるいは、お墓そのものがいらないという方も、今以上に出てくるかもしれません。

ただ、こんな話も聞きました。


だいぶ前に墓じまいをしたお墓の跡地で、手を合わせている若い方がいたそうです。どうやら、おじいさんが墓じまいをしたのですが、月日が流れ、お孫さんの代になって、もう一度お墓を持ちたいと思っているとのこと。何かの折に手を合わせ、ご先祖様とお話したい、私だけの場所が欲しいそうです。

この先の未来がどうなるか分かりません。
お墓を見直す時代が、いつの日か巡ってくるでしょうか。

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最後までお読みくださりありがとうございました。