坊さんブログ、水茎の跡。

小さな寺院の住職です。お寺の日常や仏教エッセーを書いてます。普濟寺(普済寺/栃木県さくら市)住職。

2020-01-01から1年間の記事一覧

春季大護摩祭を行いました ~ 季節はずれの雪降る中で ~

名残の雪が花に降りかかかっています。鳥たちは元気ですね。仲間と一緒に枝を飛びまわっています。 この季節はずれの寒さの中、東京では開花宣言が出ました。観測史上最も早い記録だそうです。 本日は、朝から普濟寺恒例の大護摩祭を執り行いました。近所の…

祈りの写経 ~ 東日本大震災から9年 ~

しだれ梅もそろそろ見納めでしょうか。 東日本大震災から9年となりました。(この日に合わせて始めた私のブログも、ちょうど丸一年となりました)午後2時46分には、お参りくださっていた方と本堂でお経を唱え、手を合わせました。夕方からは、本堂の奥座敷で…

【変更と中止の再度のお知らせ】普濟寺恒例の春季大護摩祭

梅の花盛りを迎えています。 ちょっと離れたところから撮ってみました。香りもお寺いっぱいに広がっています。さて、先日お伝えいたしましたとおり、来週土曜日(3月14日)に予定しております普濟寺恒例の春季大護摩祭は、ご参加くださる皆さまの健康を配慮…

高尾山薬王院さま御来山 ~ ありがたいお経に包まれて ~

お寺の黒猫。暖かな陽気に、朝から元気に歩き回っています。 どなたかがお参りくださったのでしょうか。満開のしだれ梅のもとで、ジッと石段のほうを見つめています。今日は3月3日の桃の節句。この日、高尾山薬王院ご一行さまが、普済寺をお参りくださいまし…

『徒然草』を読みませんか ~ 大東文化大学地域連携センターのオープンカレッジ ~

石段の、しだれ梅。 蕾もふくらんできました。遠くを見渡せば、小さな鯉のぼり。左のハウスに沿って、一列に並んでいるのが見えるでしょうか。何かと慌ただしいこの頃、ほっと温かな気持ちになります。大東文化大学から、来年度のオープンカレッジの案内が届…

ふすまの文字を調べました ~ 真言宗と曹洞宗、『参同契』(さんどうかい)の一節 ~

紅梅と青空。 ほぼ満開でしょうか。お寺の前の道からもよく見えます。山門を通って、皆さまにもぜひ香りを楽しんでいただければと思います。本堂の中にお入りいただくと、御本尊様に向かって左右に、ふすまの書があります。書道をなされている方は気になるよ…

新聞掲載の反響 ~ お寺の御朱印 ~

午後の日差しが布袋様に降り注いでいます。 布袋様の影に隠れるようにスイセン。毎日毎日、背比べをしているようです。 この度「しもつけの御朱印」という連載で普濟寺を取り上げていただきました(「下野新聞」2020年(令和2年)2月21日(金)24面(県央・宇都…

会計の役を仰せつかりました ~ 喜連川仏教会総会 ~

身を寄せ合うように咲いています。 これからも、すくすくと育ってほしいですね。友引の日に合わせて、「喜連川仏教会」という地元のお坊さんの集まりがありました。 私が住む、さくら市は、2005年3月28日に塩谷郡氏家町と喜連川町が合併して誕生しました。 w…

「時間」のお話⑧~「心の鬼」を退治して~「法の水茎」92

日だまりで福寿草が顔を出しています。 福寿草(フクジュソウ) 花言葉は「永久の幸福」。春と幸せを告げる黄色い花です。今月の私の文章は、引き続き「時間」をテーマに、「心の鬼」の追い払い方や、今この一瞬に目を向けることの大切さについて書いたもの…

お釈迦様が亡くなられた日 ~ 2月15日の涅槃会 ~

しだれ梅も咲き始めました。日に日に春めいてきますね。 かぐわしい香りをお届けできないのが残念です。2月15日は、お釈迦様の涅槃会(ねはんえ)でした。お寺でも涅槃図を掲げて恩徳を偲びました。 【涅槃図】ねはん‐ず釈迦が沙羅双樹(さらそうじゅ)の下…

古い写真が見つかりました ~ 普濟寺主催慰霊祭法要記念 ~

石段脇に水屋(手水舎)があります。 よく見ると、柱に隠れるように猫が座っていました。お地蔵様のマネをしているのでしょうか。 近づいても逃げません。カメラ目線です。さて、お寺には古い写真か残されています。 www.mizu-kuki.work この度、お寺の本堂…

300年ほど前の石塔 ~ 140人の思い ~

今朝も冷え込みました。氷点下10度くらいまで下がったでしょうか。 お寺の池にも薄氷が張りました。元気に泳ぐコイが、氷越しに見え隠れしています。昔はここでスケートをした方もいらっしゃるようです。今よりもずいぶん寒かったのですね。 寒空のもとでも…

大般若転読会 ~ パラパラとお経をめくりました ~

今年は春が早いようです。 ロウバイ 例年よりもロウバイが咲き揃っています。昨年の5月(旧暦のはなまつりの日)に、近くのお寺さんで行われた大般若転読会に出仕しました(動画付き)。 www.mizu-kuki.work 【大般若経】だいはんにゃ‐きょう大乗経典。600巻…

お寺の役員会を行いました。

早くも2月に入りました。 冷たい風が吹き抜ける中にも、少しずつ春の息吹が感じられます。今日は普濟寺の役員会を行いました。まずは総代会です。総代さんは、御檀家さんの中心となる方々です。 お寺の護持運営に関しての課題が話し合われました。その後は世…

錦繍の普濟寺 ~ 秋真っ盛りの思い出 ~

寒紅梅がほころんできました。 寒紅梅 【寒紅梅】かん‐こうばい 梅の一品種。寒中に紅色の八重の花が咲く。《季 冬》『デジタル大辞泉』「寒紅梅」の項 例年よりも開花が早いようです。日に日に、お寺が紅色になっていきます。こちらは、昨秋の錦繍に染まる…

街道沿いの庚申塔

寒い中、猫が丸まっていました。 お寺には、何匹かの猫が遊びに来ているようです。昨年の話になりますが、近所の道路の拡張工事が終わりました。合わせて、工事期間中の一時だけ移転していた石塔の供養を行いました。 隣町との境界の辺りにあります。お地蔵…

お寺の棟札(むなふだ)を調べてみました。

本堂前の紅梅が咲き出しました。 「梅一輪 一輪ほどの 暖かさ」今日は強風が吹き荒れていますが、心なしか心が温かくなりました。さて、お寺には、普済寺を建てた際に記した「棟札」が遺されています。 【棟札】むなふだ 建築物の棟上(むねあ)げまたは改築…

日本のお城~「金枝城」の縄張り図を描いてくださいました~

石段を登ると紅葉に目が留まります。 花の少ないこの時期は、色づいた木の葉にも心惹かれます。最近、渡邉敬『日本のお城 縄張図集』(山城出版、2019年12月1日)を購入しました。 「編集後記」によれば、渡邉さんは17年の歳月をかけて、全国430城の縄張図を…

小さな石碑に込められた想い~観音堂の3つの石~

昨日は風のない穏やかな一日でした。 寒椿(カンツバキ)が次々と咲いています。大きな葉っぱの間から、向こうの景色を覗いてみます。 お地蔵様の隣にあるのは如意輪観音堂です(子どもの頃は馬頭観音堂かと思っていました)。江戸時代から続く女性の信仰を…

道と川に沿った信仰

冬枯れの中に春を探してみました。 蝋梅(ロウバイ) 小さな満月ロウバイの蕾がほころび始めました。花の中心にある満月のような輪を、そろそろ見せてくれるでしょうか。明日は地域の、どんど焼き(左義長)です。 どんと焼き門松、注連縄(しめなわ)などの…

御年始まわりをめぐって

穏やかな一日です。 高原山 空気が澄んで、遠く高原山(標高1,795m)が見渡せます。雪はそれ程積もっていないようです。今年のお正月は暖かで過ごしやすかったのですが、春先の水不足が心配されます。山門から視線を左に移すと、日光連山がそびえています。…

御檀家まわりを終えました。

今日は風が冷たい1日です。山に降った雪が、平野に吹っ掛けてくるかもしれません。 松の内も後半となりました。関東では6日の夕方か7日に門松を片付けることが多いようです。毎年のことではありますが、あっという間の年末年始でした。2日から始めた御檀家さ…

「時間」のお話⑦~電光石火、狭く小さな無常の世の中~「法の水茎」91

今日も風のない穏やかな1日でした。 夕日が裏山の杉木立に差し込んでいます。午後4時過ぎの数分だけの夕景です。 さて、今回の『高尾山報』の文章は、引き続き「時間」をテーマに、「電光石火」という「極めて短い時間」から、「速やかな人間の生死」につい…

これから年始まわりに伺います。

今朝も冷え込みました。今年は晴天に恵まれたお正月です。 こちらは初日の出ではなく、昨日の初日の入りです。数年前から初日の入りを写真に収めて手を合わせています。何となく心がひかれます。今日2日からは、数日かけて御年始まわりです。 ねんし‐まわり…

謹んで新年の御挨拶を申し上げます

謹んで新年の御挨拶を申し上げます。 正月の普濟寺の本堂。 竹と松と南天で門松を立てました。 縄は、七・五・三で結びました。 しめ‐なわ【注連縄・標縄・七五三縄】地域を区切るための目じるし、または出入禁止のしるしとして張りめぐらす縄。特に、神前や…