しだれ梅も咲き始めました。
日に日に春めいてきますね。
かぐわしい香りをお届けできないのが残念です。
2月15日は、お釈迦様の涅槃会(ねはんえ)でした。お寺でも涅槃図を掲げて恩徳を偲びました。
【涅槃図】ねはん‐ず
釈迦が沙羅双樹(さらそうじゅ)の下で入滅する情景を描いた図。一般に、釈迦が頭を北、顔を西、右脇を下にして臥(ふ)し、周囲に諸菩薩(ぼさつ)や仏弟子・鬼畜類などが集まって悲嘆にくれるさまを描いたもの。涅槃絵。
『デジタル大辞泉』「涅槃図」の項
こちらが、普濟寺に伝わる「釈迦涅槃図」です。
大きいものです。
明治37年(1904)2月15日、普濟寺第26世住職とともに、50名以上のお檀家さんの御寄付によって製作されました。100年以上前のものです。
この日、お参りに来てくださった方にも「涅槃図」を見ていただきました。ただ、「お釈迦様が亡くなられた日です」と言っても、あまり伝わらない場合があります。「変な日にお参りしてしまった」と言わんばかりに、苦い顔をされる方もいらっしゃったり……とにかく、「涅槃」(ねはん)という言葉からして、一般には馴染みが薄いようですね。
【涅槃】ねはん
《梵 nirvāaの音写。吹き消すことの意》仏語。
1 煩悩(ぼんのう)の火を消して、智慧(ちえ)の完成した悟りの境地。一切の悩みや束縛から脱した、円満・安楽の境地。仏教で理想とする、仏の悟りを得た境地。
2 釈迦(しゃか)の死。
3 「涅槃会(ねはんえ)」の略。
生きていると、どうしても欲望が尽きなかったり、時には怒ってしまったり、日常の雑事に追われてしまったり……いろいろあると思います。「涅槃」とは、そのような苦しみから離れた状態です。
令和2年は、お釈迦様が亡くなられてから2563年になります(別伝もあります)。人間にとって死は避けられないものと教えてくださったお釈迦様を恋い慕う日が涅槃会です。合わせて、涅槃図を取り囲むお弟子さんやたくさんの動物のように、お釈迦様の死をともに悲しみます。
お釈迦様の涅槃をめぐっては、過去にも何回か書かせていただきました。
仏さまの教えは奥深いものです。まだまだ知らないことばかりです。このように学ぶ機会を与えてくださった御縁を、これからも大切にしていきたいと思っています。
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最後までお読みくださりありがとうございました。