坊さんブログ、水茎の跡。

小さな寺院の住職です。お寺の日常や仏教エッセーを書いてます。普濟寺(普済寺/栃木県さくら市)住職。

「正定」のお話①~動揺を取る、安らかな境地へ~「法の水茎」63

ミズバショウが咲いていた場所がカキツバタに変わりました。 杜若(カキツバタ) カキツバタの響きを聞くと、ついつい『伊勢物語』9段の「東下り」を思い出してしまいます。「唐衣 着つつなれにし つましあれば はるばる来ぬる 旅をしぞ思ふ」 今回の文章は…

「正念」のお話①~安らかな心で、雑念を払って~「法の水茎」62

バラも咲いてきました。 バラ これから日に日に咲き揃いそうです。庭が明るくなりますね。 今回の文章は、八正道の「正念(しょうねん)」をテーマに、正しく真理を追い求めることについて書いたものです。 ※ ※ 「法の水茎」62(2017年8月記) 荻の葉の そよ…

「正精進」のお話①~怠け心を断ち切って、精一杯に生ききる~「法の水茎」61

雨雲が去って日差しが戻ってきました。 参道のお地蔵様 「いまここにしかない わたしのいのち あなたのいのち」お地蔵様の光背に刻まれています。今回の文章は、八正道の「正精進(しょうしょうじん)」をテーマに、正しく励むことについて書いたものです。 …

「正命」のお話①~敬う気持ち、心を磨く~「法の水茎」60

強い雨が打ち付けています。 お地蔵様と菖蒲 アヤメ(菖蒲)には雨が似合います。お地蔵様と居並んでいるようです。お地蔵様の肩に降りかかる雨を、アヤメが受け止めているのでしょうか。 今回の文章は、八正道の「正命(しょうみょう)」をテーマに、正しい…

大般若転読法要

昨日は近くのお寺(慈光寺さん)で行われた大般若転読(だいはんにゃてんどく)という法要に出仕しました。 大般若転読だいはんにゃてんどく仏事の法要名。大般若経600巻を短時間に読み上げる法要。そのために,たとえば30人の職衆(しきしゆう)に20巻ずつ…

「正業」のお話①~初夏の草花、自然の恵みに感謝~「法の水茎」59

ヒメウツギを見つけました。 ヒメウツギ ウツギ(空木)よりも、ほっそりとしているからヒメウツギ(姫空木・姫卯木)と名づけられたそうです。古くから親しまれてきた初夏を飾る花です。今回の文章は、八正道の「正業(しょうごう)」をテーマに、正しい行…

「正語」のお話①~真実の言の葉、清らかな本質~「法の水茎」58

野菜も育っています。 さやえんどう さやえんどうです。花が咲きました。いくつか収穫して食卓にのせて楽しんでいます。 今回の文章は、八正道の「正語(しょうご)」をテーマに、正しい言葉遣いを心がけることについて書いたものです。 ※ ※「法の水茎」58(…

「正思惟」のお話①~自然に身を投じる、幸せの到彼岸~「法の水茎」57

石段を登り切ったところに咲いている小さな花。 可憐な花 何という名前でしょうか。ひっそりとお出迎えしてくれます。 今回の文章は、八正道の「正思惟(しょうしゆい)」をテーマに、相手を心に浮かべ、深く考えることについて書いたものです。 ※ ※ 「法の…

「正見」のお話①~水面に映る景色、正反対の自分~「法の水茎」56

本堂前のボタン。 ボタン お堂を荘厳してくれています。「ようこそお参りくださいました」と頭を垂れているかのようです。 今回の文章は、八正道の「正見(しょうけん)」をテーマに、正しく真実を見ることについて書いたものです。 ※ ※ 「法の水茎」56(201…

「不邪見」のお話①~心を浄めて、笑って向かう~「法の水茎」55

ボタンはやはり優雅です。 牡丹 白色のボタンは清楚な装いです。吸い込まれそうな気持ちになります。 今回の文章は、十善戒の「不邪見(ふじゃけん)」をテーマに、間違った考え方について書いたものです。 ※ ※ 「法の水茎」55(2017年1月記) 昨年は、東京…

金沢文庫へ

金沢文庫での研究会に参加してきました。金沢文庫は横浜市にある日本最古の武家文庫です。 www.planet.pref.kanagawa.jp2016年(平成28年)8月には、金沢文庫が管理している総計2万点余りにおよぶ「称名寺聖教・金沢文庫文書」が国宝に指定されました。この…

「不瞋恚」のお話①~怒りを見せずに、恨みを持たない~「法の水茎」54

素朴で丈夫な花です。 シャガ シャガの学名は、Iris japonica(アイリス・ジャポニカ)。でもなぜか、中国原産の帰化植物だそうです。お寺のような木陰の多い庭が、お好みのようですね。 今回の文章は、十善戒の「不瞋恚(ふしんに)」をテーマに、怒りの火…

「不慳貪」のお話①~思いやりのない冷淡な心、乱暴な振る舞い~「法の水茎」53

集団で小花を咲かせています。 コデマリ その名の通り可愛らしい手まりのようです。八重咲きのヤエコデマリも優雅です。今回の文章は、十善戒の「不慳貪(ふけんどん)」をテーマに、我欲を離れて思いやりの心を持つことについて書いたものです。 ※ ※ 「法の…

「不両舌」のお話①~二枚舌、裏切りの心~「法の水茎」52

この陽気で、花々がいっせいに咲きそろいました。 ボタン 光背のように咲く紫のボタンに、仏さまもうれしそうに微笑んでいます。 今回の文章は、十善戒の「不両舌(ふりょうぜつ)」をテーマに、二枚舌の言動について書いたものです。 ※ ※ 「法の水茎」52(2…

「不悪口」のお話①~心の重荷を消し去る、落謝~「法の水茎」51

ハナニラの花もキレイです。 ハナニラ(花韮) 原産地はアルゼンチン。明治時代に観賞用として導入されたそうです。花の色は青の他にも白や薄紫、ピンクなど、いろいろ楽しめるのが良いですね。 今回の文章は、十善戒の「不悪口(ふあっく)」をテーマに、言…