坊さんブログ、水茎の跡。

小さな寺院の住職です。お寺の日常や仏教エッセーを書いてます。普濟寺(普済寺/栃木県さくら市)住職。

「不綺語」のお話①~上辺だけの言葉~「法の水茎」50

白山吹の花。 白山吹 山吹は花びらが5枚、白山吹は花びらが4枚。別の種類です。今回の文章は、十善戒の「不綺語(ふきご)」をテーマに、上手く飾って表現した言葉について書いたものです。 ※ ※ 「法の水茎」50(2016年8月記) 暈(かさ)もなく 梅雨明けの…

「不妄語」のお話①~虚言の世界から抜け出す~「法の水茎」49

人影のないお寺に、珍しい訪問客です。 黒猫 何度か見かけたことのある黒猫。こちらを気にしながら石段を登っていきました。 お参り お参りでしょうか。初夏の庭を散策しています。今回の文章は、十善戒の「不妄語(ふもうご)」をテーマに、真実でないこと…

「不邪淫」のお話①~心の変節、愛の行為~「法の水茎」48

木々も色づいています。 モミジ このモミジの葉は、茶色に色づいてから緑に変わってきました。 今回の文章は、十善戒の「不邪淫(ふじゃいん)」をテーマに、道に外れた愛をめぐって書いたものです。 ※ ※ 「法の水茎」48(2016年6月記) 雨に打たれて、紫陽…

「不偸盗」のお話①~白く砕ける波、心の乱れ~「法の水茎」47

ゴールデンウィーク中に多くの田んぼに稲が植えられました。農家の皆さま、お疲れ様でした。まずはゆっくりと休まれてください。 木枠 何気ない田舎の風景も、木枠を通せば絵画のように見えるでしょうか。今回の文章は、十善戒の「不偸盗(ふちゅうとう)」…

「不殺生」のお話①~そっとしておく愛情、朽ちることのない余薫~「法の水茎」46

睡蓮のもとにも山桜の花びらが舞い降ります。 睡蓮の上に 睡蓮が花びらを離すまいとしているようです。今回の文章は、十善戒(じゅうぜんかい)の「不殺生(ふせっしょう)」をテーマに、ありのままを見つめることについて書いたものです。ここに引用した「…

「怨憎会苦(おんぞうえく)」のお話①~心を捨てた修行~「法の水茎」45

鑑賞期間が長いお花です。 クリスマスローズ クリスマスではなく、この時期に楽しめるのが面白いですね。これから夏にかけて、休眠状態に入るそうです。 今回の文章は、四苦八苦の「怨憎会苦(おんぞうえく)」をテーマに、この世を嫌うことなく、人々との交…

「五蘊盛苦(ごうんじょうく)」のお話①~仏様でさえも避けられなかった苦~「法の水茎」44

今日は八十八夜です。「野にも山にも若葉が茂」っています。 裏参道のお茶の木 子供の頃は茶摘みをして、自家製のお茶を作っていました。蒸し暑くなった部屋から、外へと逃げ出した記憶があります。 今回の文章は、四苦八苦の「五蘊盛苦(ごうんじょうく)」…

「求不得苦」のお話①~欲望の苦しみ、豊かな道へ~「法の水茎」43

今日は朝からお墓参りの方を見かけます。私もご先祖様のお墓に詣でて手を合わせました。 ボタン これから牡丹も咲き出します。大きな花びらを見つめていると、吸い込まれそうな気持ちになります。今回の文章は、四苦八苦の「求不得苦(ぐふとっく)」をテー…

「愛別離苦」のお話①~辛い別れの向こう側、苦しみの無い別れ~「法の水茎」42

平成の雨が降り注いでいます。 シャクナゲ 大輪のシャクナゲも、雨風を受けるように、花弁を小刻みに揺らしています。今回の文章は、四苦八苦の「愛別離苦」をテーマに、愛する者との再会と別れについて書いたものです。 ※ ※ 「法の水茎」42(2015年12月記)…

「死」のお話②~命を色濃く染める、苦しみを乗り越えて~「法の水茎」41

八重桜はやはり見事です。 ヤエザクラ 種類によって色合いも異なります。八重桜も牡丹桜も八重に咲く桜。里桜ともいいます。綿菓子のような花びらを手の平に乗せたら、少しヒンヤリ。。。数枚の花びらが舞い散りました。 今回の文章は、四苦八苦の「死苦」を…

「死」のお話①~光を探し当てる~「法の水茎」40

お花もキレイですが、あざやかな新緑にも目が留まります。 新緑のもみじ 濃淡の緑が折り重なるように見える山並みは、この時期ならではの若々しい光景です。 今回の文章は、四苦八苦の「死苦」をテーマに、この世の輝きに目を向けることについて書いたもので…

「病気」のお話②~「恋の病」に処方箋、時には「孤りの悲しみ」も~「法の水茎」39

あっと言う間に田んぼにも水が入ってきました。ここ数日の雨は、大きな恵みの雨となったでしょう。 水田 お寺からの眺めも、いよいよ田植え直前となりました。今日は高原山や那須岳もクッキリ……山頂の雪もずいぶん少なくなってきました。 今回の文章は、四苦…

「病気」のお話①~病は気から、慈しみの病~「法の水茎」38

瓢箪池のほとりに山吹が咲いています。 山吹 控え目ですね。この時期の蛙の鳴き声との共演も風流です。庭先には別種の白山吹も咲いてきました。今回の文章は、四苦八苦の「病苦」をテーマに、「病は気から」の意味について書いたものです。 ※ ※ 「法の水茎」…

「老い」のお話②~夜空の無数の星々に、ご先祖様を重ねつつ~「法の水茎」37

ツバキもキレイに咲いています。 ツバキ 色とりどりの花が混じった結構な大木です。ツバキは成長が遅いと聞きますが、どれくらいの樹齢なのでしょう。一株から生い茂った姿は見応えがありますね。今回の文章は、四苦八苦の「老苦」をテーマに、父母の恩につ…

「老い」のお話①~煩悩あれば菩提あり、囲碁の黒石と白石~「法の水茎」36

昨日は夕方から豪雨になりました。ほんの1時間ほどでしたが恵みの雨となりました。 タンポポ タンポポも元気に背伸びをしています。毎日見ていると、綿毛になってからの方が成長が早いように見えるのですが。。。気のせいでしょうか。芝桜も色とりどりです。…