坊さんブログ、水茎の跡。

小さなお寺の住職です。お寺の日常や仏教エッセーを書いてます。

お寺に伝わる版木を刷ってみました


雨の週末。
お花も雫に濡れています。


お日様の光が待ち遠しいですね。

さて、お寺にはいくつかの版木があります。

はん‐ぎ【版木/板木】
木版印刷で、文字や絵などを彫りつけた木版。日本では主にヤマザクラ・ツゲなどの材を用いた。彫板(えりいた)。形木(かたぎ)。摺(す)り形木。
『デジタル大辞泉』「版木」の項


まずはこちら。

 


何の木材でしょうか。
反対向きの文字を読んでみたところ、

「梵字(阿弥陀如来のキリーク)奉唱無量寿宝号百万遍祈攸」

と見えます。

ひゃくまん‐べん【百万遍】
1 百万回。また、数限りなく繰り返すこと。「―頼まれても承服できない」

2 一人で念仏を百万回唱えること。

3 浄土宗で、極楽往生を願って10人ずつの僧や信者が輪になって念仏を唱え、1080個の玉の大数珠を100回、順送りにする仏事。合わせて百八万遍の念仏になる。京都知恩寺で始まり、のちに一般でも行われるようになった。百万遍念仏。

4 知恩寺の異称。
『デジタル大辞泉』「百万遍」の項


そして、この版木の裏面は、このように彫られています。


さっそく紙に刷ってみました。


あまり上手く刷れませんでしたが、

右側は、般若菩薩の御真言「オンチシュリシュロダビジャエイソワカ」


左側は、不動明王の御真言「ナウマクサマンダバザラダンカン」

と思われます。今は使われていませんが、どのようなときにお配りしていたのか興味深いですね。

次はこちらです。


刷ってみました。


飯縄大権現の御影です。江戸時代のもののようです。
そのうち刷ったものを御加持して御本堂に置いてみましょうか。

(「飯縄権現」Wikipediaより)

ja.wikipedia.org


このような版木が伝わっていることに感謝です。これからも大切に守っていきたいと思います。



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最後までお読みくださりありがとうございました。