坊さんブログ、水茎の跡。

小さなお寺の住職です。お寺の日常や仏教エッセーを書いてます。

母の百箇日〜卒哭忌とは〜


ホトトギスの花が咲いています。

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花言葉の一つは「永遠の若さ」だそうですね。

明日は十三夜でもあり、母の百箇日でもあります。

最近は、七七日忌(四十九日)の後は一周忌という方が増えてきているのですが、私は百箇日のご法要を営まれることをおすすめしています。

私もお墓に立てるお塔婆を用意しました。

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百箇日は、あの世に旅立ってから初めての法要です。観音菩薩様のお導きによるもので、別名を「卒哭忌」(そっこくき)と言います。

そっこく‐き【卒哭忌】〔「しゅっこくき」とも〕
死者の百日の忌日。また、その追善。
『例文 仏教語大辞典』「卒哭忌」の項 

 
卒業の「卒」に、慟哭の「哭」と書くことから、一般的には「悲しみから卒業する日」とされます(実際に私も法話などで話しています)。

ただ、我が身に引き比べてみると、完全に卒業するのは難しいです。

どうやら「卒哭」という言葉には、「古代中国で、埋葬後に声をあげて泣く儀式」という意味もあるそうです。

そっ‐こく 【卒哭】
(1)古代中国の喪礼で、埋葬後の祭である三虞(さんぐ)の後に、声をあげて泣く儀式。
『日本国語大辞典』「卒哭」の項


そう考えると百箇日は、「思い切り泣いても良い日」になるのかもしれませんね。


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最後までお読みくださりありがとうございました。