坊さんブログ、水茎の跡。

小さなお寺の住職です。お寺の日常や仏教エッセーを書いてます。

香炉の灰


残暑厳しい庭先に紫陽花が咲いています。

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この時期に珍しいですね。
お盆も梅雨時のような天候が続きましたが、季節が逆行したかのような不思議な気持ちになります。


お寺の本堂には、いろいろな仏具がありますが、その中の1つに香炉があります。

こう‐ろ〔カウ‐〕【香炉】
香をたくための器。元来は仏具であるが、香道や床の間の置物飾りなどにも用いられる。形はさまざまで、陶磁器や金属製のものなどがある。香盤。
『デジタル大辞泉』「香炉」の項


御本尊様の前の大香炉や、持ち運びができるように柄を付けた柄香炉(えごうろ)など、種類もいろいろあります。

例えばこちらは、お線香を立てる小さめの香炉です。

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お線香には、沈香や白檀など香木が用いられています。煙が立ち上ると、お堂が清らかな香りに包まれます。

ただ、手入れをちょっと怠ってしまうと灰が固くなったりして、なかなかお線香が立たなくなる場合もあります。

そこで、一部の香炉には、小豆の灰を使用しています。写真のように、灰がきめ細やかです。これは、地元の方に教えていただいた豆知識。お線香がスッと入るのも、気持ち良いものですね。


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