坊さんブログ、水茎の跡。

小さなお寺の住職です。お寺の日常や仏教エッセーを書いてます。

春を求めて裏山を散策 ~ 地元の歴史と思い出に浸る小さな旅 ~


枝垂れ梅もずいぶんほころんできました。

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かわいらしいですね。温かな気持ちになります。

お寺の側には、裏山に抜ける市の道があります。
ただ、最近はすっかり笹で覆われていました。

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通れない状況です。
そこで、公共の道ではあるのですが草刈り機で刈ってみました。

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素人でお恥ずかしい刈り跡ですが、なんとか通れるようになりました。
先を進むと、倒木がありました。

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台風など大雨の影響でしょうか。
木をくぐり抜けて上に出てみました。

裏山はこのような眺めです。

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右手に見える畑の場所は、昔、普濟寺が建っていた場所です。今はお檀家さんに麦などの作物を作っていただいています。

普濟寺は、天文元年(1532)に金枝城東側の内越という場所に薬師堂を建立したのに始まり、正徳4年(1714)に現在地(山の中腹)の屋敷通に伽藍を移築造営したと伝えられています。

左手を眺めると、金枝城跡が見えます。

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せっかく上まで登れたので、少し裏山を歩いてみることにしました。
今回は、青い線の部分を散策しました。

(国土地理院の地図を基に作成)

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地図の左上のお寺が普濟寺。その上に見えるのが金枝城跡です(今でも城の地形がしっかり分かりますね)。

そこからさらにぐるっと右回りして、途中の神社を目指し(一度も行ったことがありません)、さらに隣地区の鹿子畑にある池や、亡き母の実家の東輪寺さんに立ち寄って戻ってきました。

このような道を進みます。

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時折小雪が吹きかけてくるような天候でしたが、歩くには気持ちよい道です。

北東の方角を見やると、いつもとは違った山並みが見えました。茨城と福島の県境にあたる八溝山方面でしょうか。

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さらに進むと、神社があると思われる辺りが見てきました。

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標高211メートル。

登ってあちこち探してみましたが、残念ながら見つかりませんでした。どこにあるのでしょうか。ご存じの地元の方がいらっしゃいましたら、情報を教えいただけると有り難いです。

思いつきですが、この辺の小字に「富士山」というところがありますので、その関係の神社でしょうか。「鹿子畑のお富士さん」伝承があります。

www.city.tochigi-sakura.lg.jp

だいだらぼっち〔日本の妖怪〕
日本各地に伝承がある巨人の妖怪。その地の山や湖ができた原因として語られることが多い。「大太郎法師」「でいだらぼっち」「だいだらぼう」「だんだん法師」などさまざまな呼称がある。
『デジタル大辞泉プラス』「だいだらぼっち」の項


神社を諦めてもとの道に戻りました。
杉林から植生も変わってきました。

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ここは子供の頃から犬の散歩で来ていた道です。
葉擦れの音を聞きながら日が差し込んできて、木漏れ日がキレイでした。

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池が見えてきました。私もお気に入りの場所です。

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心なしかか、避暑地のような風景でもあります。
ここには2つのため池があって、おおだめ(大溜)、こだめ(小溜)と呼んでいました。

その後は東輪寺さんにお参りして、福寿草などの花々を鑑賞。道々には、タケノコが出ているところもありました。竹を切ると、本当にどんどん出てくるのですね。

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東輪寺さんから普濟寺までは1㎞くらいですので、全長3キロちょっとを歩いたでしょうか。1時間半ほどのコースでした。歩くのがお好きな方にはオススメです。

身近なところでも新たな発見があるものですね。いち早い春を感じた小さな旅でした。

  
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最後までお読みくださりありがとうございました。