桜が見頃を迎えています。
お参りの方にも「きれいだね~」と言っていただいています。
あと数日ほどで散り始めるでしょうか。
私も今年はお花見に出かけることもなく、お寺で一人愛でています。
さて、皆さまのお宅にはお仏壇はございますでしょうか。
お仏壇には、お位牌が飾られているかと思います。お位牌には、漆が塗ってある「塗位牌」や、黒檀や紫檀を用いた「唐木位牌」など、いろいろな種類があります。
【位牌】い‐はい
(1)中世以後の仏教信仰で、死者をまつるために法号、戒名を記して、依代(よりしろ)とする板。死者の冥福を祈る霊牌(れいはい)や生前にその寿福を願う逆修牌(ぎゃくしゅはい)などがある。形状や戒名の書き方にも宗旨・身分などによって異同がある。
『日本国語大辞典』「位牌」の項
その中には、「繰出位牌」(回出位牌、くりだしいはい)と呼ばれるものがあります。
だいたい、このような形です。
キラキラしていて豪華ですね。
【繰出位牌】くりだし‐いはい
繰出し式の位牌。故人の姓名、戒名を記した木牌を、数枚箱状のものの中に入れておき、供養するときに、その人のものを取り出して最前部におく。『日本国語大辞典』「繰出位牌」の項
漆を塗った1枚目の表には、「〇〇家先祖代々之霊位」などと書かれます。
2枚目以降は白木になっています。
上の方の屋根を外すと、中には全部で10枚ほどの板が入っています。ここに亡くなられた方のお戒名や没年月日、裏面には、俗名や享年を書き記します。
多くのご先祖様のお位牌を一つにまとめることができます。
中にはこの「繰出位牌」が、いくつか飾られている古いお宅もあります。
ただ最近は、お位牌がそれ程無くても、「子孫に迷惑をかけたくないから」と言って「繰出位牌」にされる方もいらっしゃいます。自分が亡くなっても白木に書き足せば良いので、新たにお位牌を購入する必要がないという経済的理由のようです。いろいろな思いがありますね。
ちなみに、お寺の本堂には、たくさんの「繰出位牌」が並んでます。
こちらは、お寺でお預かりしている御檀家さん一軒一軒の「繰出位牌」です。
ご法事などでお参りくださった際には、御本尊様の御前に移して飾ります。
こちらも末永くお祀りさせていただきます。
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最後までお読みくださりありがとうございました。