白ピンクの美しさです。
昨年植えていただいた常緑ヤマボウシです。通常のヤマボウシと違って、1年を通して葉が生い茂っています。まだまだ流通が少ないようです。
この時期はどうしてもアジサイに目が行きますが、庭のシンボルツリーとして、長く楽しめる花も良いですね。
さて、週末はご法事が入ることが多いのですが、特に33回忌のご法事には「杉塔婆」のご用意をお願いしています。
上の方だけ葉を残した生木の塔婆です。真ん中あたりの両面を削っていただいて、そこに御戒名などを書き記します。
写真は、檀家さんがお持ちくださった杉塔婆です。天井まで届く高さです。
有り難いことに、削った箇所にヤスリをかけて書きやすくしてくださいました。
最近は33回忌まで営まれるご家庭が少なくなってきたと聞きますが、こうして杉塔婆までご用意いただけるのはたいへん有り難いことです。
杉塔婆
弔(とむら)い上げ、問い上げ、問い切りなどとよび、多くの場合三十三回忌を最終年忌とするが、五十回忌とする地方も多い。最終年忌には梢付塔婆(うれつきとうば)とか杉塔婆という葉のついた生木の塔婆を立てる。この塔婆を伝わってホトケがカミになるという信仰がみられる。死者の霊魂は、年忌の供養、盆・彼岸の供養を子孫から受けて、年数を経るごとに穢(けが)れを薄くし、しだいに清まった霊魂に昇華し、最終年忌で祖先神に合体するという日本固有の霊魂観を基盤にして年忌は展開したといえる。
『日本大百科全書』「命日」の項
杉の他にも、椎や松の木を用いる地方もあるようですね。
33回忌は「弔い上げ」と呼ばれ、一般的には最後の年忌となります。ご先祖様の霊(祖霊)に昇華して、その家を守護してくださると言われます。
ご法事では、お位牌を繰り出し位牌に入れ直して、杉塔婆をお墓に高く掲げました。それはまるで、自然そのものへと回帰したお姿のようでした。杉塔婆は、周りの目もひきつけます。ご先祖様を大事にしていることが伝わります。
ちなみに普段使いの板塔婆の素材は、杉(スギ)・スプルース・檜(ヒノキ)・松(カラマツ)・モミなどの木が用いられるそうです。最近は安価な輸入材も増えているとか。
自坊の板塔婆は何の木を使っていたでしょう……これまではあまり意識していませんでしたが、ちょっと調べてみようと思います。
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