坊さんブログ、水茎の跡。

小さなお寺の住職です。お寺の日常や仏教エッセーを書いてます。

書籍を出版しました! ~ 髙橋秀城『法の水茎―和歌とおはなしでひもとく仏教―』(武蔵野書院、2021年3月11日) ~

雨風の強い一日でした。
皆さん昨日のお彼岸中日の日に、お墓参りを済まされたようですね。
今日はお寺もひっそりとしています。

池の汀には、水芭蕉が咲き出しました。

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こちらも、ひっそりと咲いています。
お参りの方がお見えになる度に場所をお伝えしています。

このたび東日本大震災発生の日に合わせて、鎮魂の祈りを込めて書籍を刊行いたしました。

髙橋秀城『法の水茎―和歌とおはなしでひもとく仏教―』(武蔵野書院、2021年3月11日)



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[書籍の「帯」より]
髙尾なる緑もふかき法の山飯縄の御威永遠に変わらじ
 本書は、いにしえの和歌や説話など古典文学を手がかりに、仏教の奥深い教えに近づくことを目的として書かれたひとつの道しるべである。
 普濟寺住職である著者が、髙尾山薬王院発行の『髙尾山報』に、八年に亘って連載している『法の水茎』1 ~100話をこの一冊に収録。
 悩み多き現代人に贈る百話の心の処方箋。
 住職ならではの優しい語り口が、読者を仏の御心へと誘う。

 
(「武蔵野書院のブログ」より)

fd10.blog.fc2.com
『髙尾山報』100冊を並べると、こんな感じです。

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画面に収めるのに苦労しました。
一冊一冊に思い出があります。

(武蔵野書院HPより)

www.musashinoshoin.co.jp

 

武蔵野書院は、1919年(大正8年)設立。創業100年以上の老舗出版社です。草創期の1931年(昭和6年)に、梶井基次郎の小説作品集『檸檬』を出版したことでも知られています。

この度は何から何までお世話になりました。自著とは思えないほどの出来映えとなりました。前田智彦院主様をはじめとする皆様に心より感謝申し上げます。


(武蔵野書院Wikipedia)

ja.wikipedia.org


装丁・装画は、小林真理様にお願いいたしました(株式会社スタルカ代表、日本図書設計家協会会長)。たいへん上品に仕上げてくださって嬉しく思っています。
https://jp.linkedin.com/in/marikobayashi


今回は、ご無理を言いまして、2種類の表紙カバーを作成していただきました。
もう一つはこちらです。 

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奥付を除いて内容は同じですが、こちらは部数限定の非売品です。
題字は、髙尾山薬王院前御貫首大山隆玄僧正様より頂戴いたしました。髙尾山薬王院の篤信の信者様など、有縁の皆さまにお配りすることになっています。

大山隆玄御前様には、書籍の巻頭に御染筆もいただきました(御貫首様としては最後の御染筆の一冊となったかもしれません)。

【染筆】せん‐ぴつ 
筆に墨や絵具を含ませて書画を書くこと。物を書くこと。揮毫。潤筆。
『日本国語大辞典』「染筆」の項


ここではお見せできないのですが「古教照心」という4文字をお書きくださいました。誠に忝く、心より御礼申し上げます。

【古教照心】こきょう‐しょうしん
古人の教訓をよく学びとって、自己の心を照らし、あやまりのないよう努めること。
『例文 仏教語大辞典』「古教照心」の項

巻頭言は、大正大学名誉教授の福田亮成先生よりいただきました。深く御礼申し上げます。


悩み多き現代において、豊かな人生を歩むためのヒントとなればとの思いから、広く日本古典文学や仏教に関心を寄せている多くの方々に手に取っていただきたいと思っています。

何とぞよろしくお願い申し上げます。

 

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最後までお読みくださりありがとうございました。