坊さんブログ、水茎の跡。

小さな寺院の住職です。お寺の日常や仏教エッセーを書いてます。普濟寺(普済寺/栃木県さくら市)住職。

父が付けた母の戒名


母の近くに飾られている花。

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亡くなる前に「この花キレイね~」と話していた母。たくさんあった蕾も、葬儀が済んで、すっかり咲きそろいました。

母の戒名は「温情院清美布施大師」です。

【戒名】かい‐みょう
1 仏門に帰依して受戒した出家・在家に与えられた法名
『デジタル大辞泉』「戒名」の項



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このお戒名、実は4年前に亡くなった父が、入院中に母のために付けたものです。
呼吸器を付けて息も絶え絶えな状況の中、私が一文字一文字ノートに書き留めました。

【温情】おん‐じょう
あたたかで情け深い心。また、情け深くあたたかなさま。

【清美】せい‐び
清らかで美しいこと。清純であること。また、そのさま。

【布施】ふ‐せ 
{梵}dana の訳語。施とも訳す。また、檀那と音訳し、檀とも略す)
六波羅蜜の一つ。施しをすること。
『日本国語大辞典』「温情」「清美」「布施」の項

 

次の日にはもう言葉を話せなくなっていました。

母を想って考えたのでしょう。最後のプレゼントだったのかもしれません。

予想より早く使うことになってしまった戒名。きっと父が迎えに来てくれたのでしょうね。


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最後までお読みくださりありがとうございました。