坊さんブログ、水茎の跡。

小さな寺院の住職です。お寺の日常や仏教エッセーを書いてます。普濟寺(普済寺/栃木県さくら市)住職。

8月7日のお墓掃除


今日は比較的過ごしやすい一日でした。

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といっても、30度は超えたでしょうか。

今月は墓薙(はかなぎ)の月。熱中症対策でもあるのでしょう……朝早くから、お墓掃除のお檀家様が訪れています。
 

【墓薙】はか‐なぎ 
盂蘭盆(うらぼん)に先祖の墓を掃除すること。《季・秋》
*土〔1910〕〈長塚節〉二四「夕刻に墓薙(ハカナギ)というて出た」
方言 八月七日の墓掃除。《はかなぎ》千葉県長生郡287夷隅郡288
『日本国語大辞典』「墓薙」の項

 
特に8月7日は、1日に地獄の釜が開いてからお迎えまでの折り返し地点ですね。
皆さん、心地よくお迎えする準備をされています。

お墓の入口近くには、父が建立した古いお塔婆の収め所があります。
 

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 朱書きで「南無 烏瑟沙摩明王」。仏様のお名前が刻まれています。

 

 【烏芻沙摩明王】うすさま‐みょうおう
仏語。金剛界曼荼羅(まんだら)の一尊。不浄を転じて清浄とする明王。形相には異同があるが、目は赤く、身は黒く、四臂(ひ)で、火炎に包まれ忿怒(ふんぬ)の相を示す。主として安産または出産の不浄を払う効験を持つとされるが、密教、禅宗などでは便所の守護神とする。不浄金剛。火頭金剛。穢跡金剛。うすさま。うすしゃま。うすさま王。

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『日本国語大辞典』「烏芻沙摩明王」の項

 

清らかで、汚れのない場所にしてくださる明王様です。火炎によって、不浄を焼き尽くしてくださります。

本日、8月8日は父の誕生日。生きていれば81歳でした。
母にはお線香を供え、父には「おめでとう」を言いました。


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最後までお読みくださりありがとうございました。