坊さんブログ、水茎の跡。

小さな寺院の住職です。お寺の日常や仏教エッセーを書いてます。普濟寺(普済寺/栃木県さくら市)住職。

東日本大震災から10年 ~ 風化しない、被害の爪痕を胸に刻んで ~


今年も「力試し石」の隣にスイセンが咲き出しました。

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梅から次の季節へと移ってきたようです。
 

(お寺の力試し石)

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このブログを始めてから、今日で丸2年となりました。
3月11日を選んだのは、東日本大震災を忘れないためでもあります。

今日で発生から丸10年。一心に手を合わせます。

あらためて記憶をとどめておくために、仕舞い込んでいたお寺の地震被害写真を取り出しました。地震から10日後の撮影です。


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長時間の震度6の揺れに「修行大師像」も大きな「灯籠」も倒れました。
お墓の塀も、お地蔵様も耐えられなかったようです。

 (「修行大師像」を建立したときの写真)

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その日はお寺の春季大護摩祭の前日でした。
停電の中、変わり果てた境内を呆然と見ていたとき、亡き父が「まぁ、水でも飲むか」と言いましたが、水は出ませんでした。近くの貯水槽も崩れ落ち、断水は2ヶ月に及びました。


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屋根瓦も落ちました。原発の影響もあり、外に出ないようにとの指示でしたが、屋根に登ってブルーシートをかけました。その時、冷たい雪が降り注いでいたのを覚えています。

まだうまく言葉にできませんが、この震災を機に私の考え方も大きく変わりました。これからも、しっかりと胸に刻んで生きていきたいと思います。

あらためて鎮魂と復興の祈りを捧げます。

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最後までお読みくださりありがとうございました。