この度、本堂の押し入れの奥の方から、二幅の掛け軸が見つかりました。
一つは、お釈迦様の涅槃図です。
裏面に「明治参拾七年辰旧貳月十五日設立之ス」と記されていることから、明治37年(1904)の涅槃会にあわせて製作されたものであることが分かります。
写真を載せることはできないのですが、普濟寺第26世住職とともに、50名以上の寄進者の名前と寄進額(壱円から拾五銭)が記されています。ほとんどが今の檀家さんのご先祖様のお名前です。
表面の絵のほうも、今から100年以上前とは思えないほどキレイに残っています。今のところ作者名は見出せていません。何か元になる絵があったのでしょうか。またじっくりと調べてみたいと思います。
亡き父は、この絵の存在を知っていたのか分かりません。総代・世話人さんも、掲げられた記憶がないと言っています。
探せばいろいろなものが出てくるのですね(私の掃除が行き届いていないのが原因でしょうが…)。今週末の大施餓鬼会で、この二幅の掛け軸をご披露できればと思っています。
もう一幅は、千観音仏が描かれたものです。
少し色が薄くなっています。
やはり裏面に「大正七年旧拾月拾七日経師出来 千観音講中」とあることから、大正7年(1918)の製作と分かります。
17日とありますので、千観音仏でも千手観音講中なのでしょう。6名の女性と世話人の名が記されています。この当時は、女性の講も盛んだったのですね。また裏面上部には、この掛け軸を用いて「安産念仏」が、大正9年と大正15年の2回行われたことも記されています。
この掛け軸は、ご先祖様の信仰心の厚さが伝わってくるものです。
末永く守っていければと思っています。
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