坊さんブログ、水茎の跡。

小さなお寺の住職です。お寺の日常や仏教エッセーを書いてます。

法の水茎

「時間」のお話①~刹那、最も小さい時間単位~「法の水茎」85

八重の桔梗が咲きました。 桔梗(キキョウ) ちなみに真言宗智山派の紋は桔梗紋です。梅雨時の潤んだ庭に彩りを加えています。 今回の文章は「時間」の「刹那」をテーマに、刹那の善行を積み重ねる仏の道を歩むことについて書いたものです。 ※ ※ 「法の水茎…

「無常」のお話⑬~無常迅速、ちろりちろり~「法の水茎」84

やっと最新号まで来ました。これまでお付き合いいただきまして誠に有り難うございました。これから「法の水茎」のほうは、月1回の更新を目指していきたいと思います。 お地蔵さま お地蔵さまもお花を前にしてうれしそうですね。いつも見守りくださりありがと…

「無常」のお話⑫~平成から令和へ、おめでとうの気持ち~「法の水茎」83

今日は夏至です。本格的な夏を前にして、これから少しずつ日が短くなっていくのですね。ご法事で夏至と仏教について話そうかと思いましたが、春分・秋分・冬至と違って、なかなか思いつきません。「夏」(げ)という言い方から、何か関わりがありそうですが……

「無常」のお話⑪~風に散る花、はかなさを自覚して~「法の水茎」82

アジサイが見頃を迎えています。 アジサイ(紫陽花) 同じアジサイでも、一日一日、微妙に色合いが変わっています。昨日とは別の花を見ているかのように映るのは、不思議なものですね。 今回の文章は、「無常」をテーマとして、自然の中に無常を感じることの…

「無常」のお話⑩~中国から日本へ、天狗と僧侶との法力競べ~「法の水茎」81

今日は暑い一日でした。全国の100地点以上で、真夏日を観測したそうです。 ホタルブクロ 玄関脇にホタルブクロがうつむいて咲いています。たくさんの風鈴が並んでいるようで、風に揺れると涼しさを感じます。 今回の文章は、「無常」をテーマとして、不動明…

「無常」のお話⑨~慈愛を与えて、父子の別れ~「法の水茎」80

昨夜は雷雨に見舞われました。局地的な大雨でした。 睡蓮 睡蓮(スイレン)は眠っていたのでしょうか……何事もなかったかのように完璧な花を咲かせています。白い花を午後、未の刻ごろ(13~15時頃)に咲かせることから、睡蓮と名づけられたそうです。 今回の…

「無常」のお話⑧~前世・現世・来世、幸せを願って~「法の水茎」79

ピーヒョロロロロ… トンビ 羽ばたく3羽の鳴き声が聞こえてきます。輪を描きながら舞い上がっていきました。私もトンビのように、少しでも上昇気流に乗ることができればと思います。 今回の文章は、「無常」をテーマとして、前世からの因縁について書いたもの…

「無常」のお話⑦~「哀れみ」から「思いやり」へ、「貧」から「清貧」へ~「法の水茎」78

昼頃まで風の強い一日でした。 黒猫 いつもの黒猫もお散歩中のようです。風の吹くまま気の向くままでしょうか。 今回の文章は、「無常」をテーマとして、「思いやり」の新芽を準備することについて書いたものです。 ※ ※ 「法の水茎」78(2018年12月記) 雪降…

「無常」のお話⑥~「心の葉っぱ」を輝かせて、「飛花落葉」を感じて~「法の水茎」77

アジサイには雨が似合います。 紫陽花(アジサイ) アジサイの花言葉の一つに「無常(むじょう)」があります。色が「七変化」するところから名づけられたのでしょう。 今回の文章は、「無常」をテーマとして、「飛花落葉」を感じることの大切さについて書いた…

「無常」のお話⑤~不完全な美しさ、『徒然草』にみる「心眼」~「法の水茎」76

池の上にヤマボウシの花が咲いています。 ヤマボウシ(山法師) ヤマボウシ(山法師)は、白い部分を僧兵の頭巾に見立てて名づけられました。今回の文章は、「無常」をテーマとして、『徒然草』に見る「不完全な美しさ」について書いたものです。 ※ ※ 「法の…

「無常」のお話④~無常は仏教の基礎、『方丈記』『無常安心章』「白骨の御文章(御文)」~「法の水茎」75

本堂からの眺めです。 参道 雨の重みで、モミジの葉も垂れ下がっています。いつもより緑色を感じるお庭です。 今回の文章は、「無常」をテーマとして、『方丈記』と『無常安心章』「白骨の御文章(御文)」との類似などについて書いたものです。 ※ ※ 「法の…

「無常」のお話③~『方丈記』序章、滅びを重視した無常観~「法の水茎」74

梅雨入りして、お寺もしっとりと潤っています。 雨の参道 雨上がりには、ホトトギスの声もお山全体に響き渡っています。先日までは鶯だったのに、季節の移ろい早いですね。 今回の文章は、「無常」をテーマとして、『方丈記』序章に見られる「滅びを重視した…

「無常」のお話②~「いろは歌」、迷いを自覚する~「法の水茎」73

庭を歩いていても、やはり睡蓮には目がとまります。 睡蓮 まるで絵に描いたような姿です。1人で見るのが、もったいない気分になります。今回の文章は、「無常」をテーマとして、「いろは歌」に込められた「無常の心」について書いたものです。 ※ ※ 「法の水…

「無常」のお話①~雪山童子の願い、この文句を見て~「法の水茎」72

帰宅すると、玄関先のバラが迎えてくれました。 薔薇 野バラでしょうか。飾り気のない、素朴な姿にも心癒やされます。今回の文章は、「無常」をテーマとして、『平家物語』などに語られる「諸行無常」について書いたものです。 ※ ※ 「法の水茎」72(2018年6…

「天道」のお話~清らかな天界も、時は移ろう~「法の水茎」71

赤のカルミアです。 カルミア お寺には白もあります。紅白のカルミアは見ごたえがあります。カルミアという名前は、スウェーデンの植物学者、ペール・カルムにちなんで命名されたそうです。今回の文章は、六道の「天道」をテーマとして、人間界よりも苦しみ…

「人道」のお話~得がたい我が身、慈しみの心も忘れないで~「法の水茎」70

まだら模様の紅ウツギです。 ウツギ(空木) ウツギにはいろいろな種類があります。外からは見えませんが、幹が中空だから空木(ウツギ)と名づけられました。卯の花・卯木(ウツギ)とも呼ばれる、初夏の風物詩です。 今回の文章は、六道の「人道」をテーマ…

「修羅道」のお話~争いを拾う、見失う慈悲の心~「法の水茎」69

日に日に花の数が増えて来ました。 睡蓮 お参りくださる方も、池の睡蓮に目が留まるようです。みなさん「キレイですね~」と言ってくれます。 今回の文章は、六道の「修羅道」をテーマとして、常に激しい争いが行われる場所について書いたものです。 ※ ※ 「…

「畜生道」のお話~馬の涙、前世の父母~「法の水茎」68

キショウブ(黄菖蒲)も目立ちます。 キショウブ(黄菖蒲) 繁殖力が強いため、最近では「要注意外来生物」にも登録されているとか…拡大しすぎるのも問題のようですね。 今回の文章は、六道の「畜生道」をテーマとして、死後に畜生となって生まれ苦しむ世界…

「餓鬼道」のお話~欲深い行い、際限なく欲しがる~「法の水茎」67

雨が上がって過ごしやすい1日です。 お地蔵様 お地蔵様も気持ちよさそうですね。 今回の文章は、六道の「餓鬼道」をテーマとして、飢えた鬼の世界について書いたものです。 ※ ※ 「法の水茎」67(2018年1月記) 霞立ち 木の芽もはるの 雪降れば 花なき里も 花…

「地獄道」のお話~灼熱の奈落に、清らかな風~「法の水茎」66

池の睡蓮が咲きました。 睡蓮 蓮は晩夏の季語なので、7月くらいからかと思っていましたが…まだ5月ですね。今年はとくに早いのでしょうか。 今回の文章は、六道の「地獄道」をテーマとして、奈落の底の有様について書いたものです。 ※ ※ 「法の水茎」66(2017…

「六道輪廻」のお話~お地蔵様を信じて、真っ先に駆け付ける~「法の水茎」65

アジサイも咲いてきました。 紫陽花(アジサイ) 雨に濡れれば、緑もいっそう鮮やかになるでしょう。梅雨時の黄昏には、蛍が飛び交うかもしれません。今回の文章は、六道をテーマとして、お地蔵様の救いについて書いてみたものです。 ※ ※ 「法の水茎」65(20…

「八正道」のお話~真実そのもの、対立を離れて~「法の水茎」64

全国的に猛暑の1日でした。来月の衣更えを前にして、冬衣でのお勤めは、なかなかツライものがあります。 黒猫 いつもの黒猫は、涼しい日陰を知っているようです。 今回の文章は、八正道のまとめとして、「「正しさ」とは何か」ということについて考えてみた…

「正定」のお話①~動揺を取る、安らかな境地へ~「法の水茎」63

ミズバショウが咲いていた場所がカキツバタに変わりました。 杜若(カキツバタ) カキツバタの響きを聞くと、ついつい『伊勢物語』9段の「東下り」を思い出してしまいます。「唐衣 着つつなれにし つましあれば はるばる来ぬる 旅をしぞ思ふ」 今回の文章は…

「正念」のお話①~安らかな心で、雑念を払って~「法の水茎」62

バラも咲いてきました。 バラ これから日に日に咲き揃いそうです。庭が明るくなりますね。 今回の文章は、八正道の「正念(しょうねん)」をテーマに、正しく真理を追い求めることについて書いたものです。 ※ ※ 「法の水茎」62(2017年8月記) 荻の葉の そよ…

「正精進」のお話①~怠け心を断ち切って、精一杯に生ききる~「法の水茎」61

雨雲が去って日差しが戻ってきました。 参道のお地蔵様 「いまここにしかない わたしのいのち あなたのいのち」お地蔵様の光背に刻まれています。今回の文章は、八正道の「正精進(しょうしょうじん)」をテーマに、正しく励むことについて書いたものです。 …

「正命」のお話①~敬う気持ち、心を磨く~「法の水茎」60

強い雨が打ち付けています。 お地蔵様と菖蒲 アヤメ(菖蒲)には雨が似合います。お地蔵様と居並んでいるようです。お地蔵様の肩に降りかかる雨を、アヤメが受け止めているのでしょうか。 今回の文章は、八正道の「正命(しょうみょう)」をテーマに、正しい…

「正業」のお話①~初夏の草花、自然の恵みに感謝~「法の水茎」59

ヒメウツギを見つけました。 ヒメウツギ ウツギ(空木)よりも、ほっそりとしているからヒメウツギ(姫空木・姫卯木)と名づけられたそうです。古くから親しまれてきた初夏を飾る花です。今回の文章は、八正道の「正業(しょうごう)」をテーマに、正しい行…

「正語」のお話①~真実の言の葉、清らかな本質~「法の水茎」58

野菜も育っています。 さやえんどう さやえんどうです。花が咲きました。いくつか収穫して食卓にのせて楽しんでいます。 今回の文章は、八正道の「正語(しょうご)」をテーマに、正しい言葉遣いを心がけることについて書いたものです。 ※ ※「法の水茎」58(…

「正思惟」のお話①~自然に身を投じる、幸せの到彼岸~「法の水茎」57

石段を登り切ったところに咲いている小さな花。 可憐な花 何という名前でしょうか。ひっそりとお出迎えしてくれます。 今回の文章は、八正道の「正思惟(しょうしゆい)」をテーマに、相手を心に浮かべ、深く考えることについて書いたものです。 ※ ※ 「法の…

「正見」のお話①~水面に映る景色、正反対の自分~「法の水茎」56

本堂前のボタン。 ボタン お堂を荘厳してくれています。「ようこそお参りくださいました」と頭を垂れているかのようです。 今回の文章は、八正道の「正見(しょうけん)」をテーマに、正しく真実を見ることについて書いたものです。 ※ ※ 「法の水茎」56(201…