坊さんブログ、水茎の跡。

小さなお寺の住職です。お寺の日常や仏教エッセーを書いてます。

2019-04-01から1ヶ月間の記事一覧

「愛別離苦」のお話①~辛い別れの向こう側、苦しみの無い別れ~「法の水茎」42

平成の雨が降り注いでいます。 シャクナゲ 大輪のシャクナゲも、雨風を受けるように、花弁を小刻みに揺らしています。今回の文章は、四苦八苦の「愛別離苦」をテーマに、愛する者との再会と別れについて書いたものです。 ※ ※ 「法の水茎」42(2015年12月記)…

「死」のお話②~命を色濃く染める、苦しみを乗り越えて~「法の水茎」41

八重桜はやはり見事です。 ヤエザクラ 種類によって色合いも異なります。八重桜も牡丹桜も八重に咲く桜。里桜ともいいます。綿菓子のような花びらを手の平に乗せたら、少しヒンヤリ。。。数枚の花びらが舞い散りました。 今回の文章は、四苦八苦の「死苦」を…

「死」のお話①~光を探し当てる~「法の水茎」40

お花もキレイですが、あざやかな新緑にも目が留まります。 新緑のもみじ 濃淡の緑が折り重なるように見える山並みは、この時期ならではの若々しい光景です。 今回の文章は、四苦八苦の「死苦」をテーマに、この世の輝きに目を向けることについて書いたもので…

「病気」のお話②~「恋の病」に処方箋、時には「孤りの悲しみ」も~「法の水茎」39

あっと言う間に田んぼにも水が入ってきました。ここ数日の雨は、大きな恵みの雨となったでしょう。 水田 お寺からの眺めも、いよいよ田植え直前となりました。今日は高原山や那須岳もクッキリ……山頂の雪もずいぶん少なくなってきました。 今回の文章は、四苦…

「病気」のお話①~病は気から、慈しみの病~「法の水茎」38

瓢箪池のほとりに山吹が咲いています。 山吹 控え目ですね。この時期の蛙の鳴き声との共演も風流です。庭先には別種の白山吹も咲いてきました。今回の文章は、四苦八苦の「病苦」をテーマに、「病は気から」の意味について書いたものです。 ※ ※ 「法の水茎」…

「老い」のお話②~夜空の無数の星々に、ご先祖様を重ねつつ~「法の水茎」37

ツバキもキレイに咲いています。 ツバキ 色とりどりの花が混じった結構な大木です。ツバキは成長が遅いと聞きますが、どれくらいの樹齢なのでしょう。一株から生い茂った姿は見応えがありますね。今回の文章は、四苦八苦の「老苦」をテーマに、父母の恩につ…

「老い」のお話①~煩悩あれば菩提あり、囲碁の黒石と白石~「法の水茎」36

昨日は夕方から豪雨になりました。ほんの1時間ほどでしたが恵みの雨となりました。 タンポポ タンポポも元気に背伸びをしています。毎日見ていると、綿毛になってからの方が成長が早いように見えるのですが。。。気のせいでしょうか。芝桜も色とりどりです。…

「生」のお話②~命の鼓動、見えない内側からの力~「法の水茎」35

毎朝、鶯の声で目覚めます。心地良い目覚まし時計です。この頃は、カエルも鳴き始めました。 いよいよ田植えも間近になってきたようです。 シャクナゲ 大ぶりの花は目立ちますね。石楠花(シャクナゲ)の葉っぱには毒があるので要注意です。今回の文章は、四…

御影供法要

今日は近くのお寺で行われた御影供(みえく)という法要に出仕しました。 御影供みえいく 「みえく」ともいう。広い意味では像の掛軸をかけて供養する法会(ほうえ)をいうが、普通は真言(しんごん)宗の宗祖弘法大師(こうぼうだいし)(空海)の御影を奉…

「生」のお話①~新たな命の誕生、苦しみをくぐり抜けて~「法の水茎」34

可愛らしい花も元気いっぱいです。 ニリンソウ お地蔵様の足元に、小さなニリンソウが咲き誇っていました。今回の文章は、四苦八苦の「生苦」をテーマに、なぜ始めに「生」(生まれること)があるのかについて書いてみたものです。 ※ ※ 「法の水茎」34(2015…

「香り」のお話②~「六根」を清めて、悩みや苦しみを洗い流して~「法の水茎」33

桜が散ったからでしょうか。。。また黄色い花が目立ってきました。 レンギョウ 漢方では鎮痛薬に用いられるようです。レンギョウ(連翹)と聞くと、つい練行(仏道修行)を思い出してしまいうのは仕事柄でしょうか。今回の文章は、六根のまとめとして、「鼻…

「身体」のお話②~幸せを追い求めて、捨て身の修行~「法の水茎」32

枝垂れ桜が満開を迎えています。 枝垂れ桜 風に吹かれた花びらが、修行大師の頭上に降り注ぎます。境内の中でも好きな木の一つです。ぜひご覧になっていただければと思います。今回の文章は、六根の「身」をテーマに、節分や、お釈迦様の入滅について書いて…

「味わい」のお話②~醍醐味、揺らぐことのない成熟した心根~「法の水茎」31

ツツジも咲き始めています。 ツツジ 春風に揺れながら、つぼみが日に日にふくらんでいます。今回の文章は、六根の「舌」をテーマに、民話「笠地蔵」に登場する仲睦まじいご夫婦の味わいについて書いてみたものです。 ※ ※ 「法の水茎」31(2015年1月記) 新し…

「心」のお話②~自分の影と仏様の優しい影~「法の水茎」30

地元の桜並木です。 早乙女の桜並木 1925年(大正14年)に、当時の青年団が100本のソメイヨシノを植栽したことに始まるそうです。これまで多くの方に親しまれてきましたが、近年では老木が目立ち、いよいよ伐採される運びとなりました。この風景が見られるの…

「眼」のお話②~紅葉の風情、儚さを自覚すれば~「法の水茎」29

スイセンがキレイに咲いています。お地蔵様の口許も、何となくほころんでいるようです。 スイセン 黄色いスイセンの花言葉は「私のもとへ帰って」だそうです。お寺に咲く草花の花言葉を調べるのも楽しそうですね。今回の文章は、六根の「眼」をテーマに、紅…

一週遅れの花祭り

今日は地元で、第24回「桜まつり」が開催されました。町の中心部を歩行者天国にして、物産販売や展示、ビンゴ抽選会やフリーマーケットなどさまざまな催しが行われました。 www.tochigiji.or.jp その一画をお借りして、喜連川仏教会では、毎年恒例の花祭りを…

「聞く」お話②~耳を傾けて、清らかに色づいて~「法の水茎」28

今が満開です。 満開 これまで、春が年々短くなっていると感じていましたが。。。今年は桜も満開の姿を長く見せてくれています。今回の文章は、六根の「耳」をテーマに、菊と聞くとの関わりについて書いてみたものです。 ※ ※ 「法の水茎」28(2014年10月記)…

「心」のお話①~秋のお彼岸、天上界に咲く蓮華の花~「法の水茎」27

今日は朝から竹を切って頂いてます。 竹林 お寺の墓地前にある竹林。だいぶ密集してきたので間引いてもらうことにしました。最近は竹の用途がなく、竹切り職人の方も減ってしまいましたが、なんとかお願いできました。これで光が射し込み、お墓からの眺めも…

「身体」のお話①~「一夏」の記憶、蓮の上の露の願い~「法の水茎」26

春は足早に過ぎ去っていきます。この辺の桜もそろそろ見頃を過ぎるでしょう。 花の参道 草花もだいぶ咲いてきました。これからは草木の芽吹きも感じられます。晩春と初夏の間へと季節は差しかかってきました。今回の文章は、六根の「身」をテーマに、お盆の…

「会話」のお話①~言葉の力、笑顔で悲しみを隠して~「法の水茎」25

花冷えをこえて底冷えの一日です。 雪の大師像 朝から季節はずれの雪が舞っています。修行大師も驚かれているのではないでしょうか。今回の文章は、六根の「舌」(会話)をテーマに、言葉の使い方について書いてみたものです。 ※ ※ 「法の水茎」25(2014年7…

「香り」のお話①~湿り気のある空気の中で、お香の煙~「法の水茎」24

昨日は雨が降りました。この時期の雨は、桜が散ってしまうのではないかと気にかかります。 満開 今年は水不足のようです。用水路の水位が下がっていたり。。。これから田に水を引き込む農家さんにとっては、まとまった恵みの雨が待たれるでしょう。今回の文…

「耳」のお話①~鳥の声に耳を傾けて~「法の水茎」23

今日はお釈迦様の誕生日です。日本各地で「おめでとう」の心が広まっています。ただ私の地元の「花祭り」は、選挙の関係から、1週間遅れの14日(日)になりました。これから準備に取りかかります。 ユキヤナギ この辺の桜も、いよいよ満開の時を迎えています…

「眼」のお話①~喜怒哀楽、六根清浄、果てしない慈愛に満ちた優しい眼~「法の水茎」22

元気な鶯の声で目覚めるのは心地良いものです。 もうすぐ開花 毎朝散歩していると、日に日に春の息吹が感じられます。鳥の囀りや草木のほころび…自然を間近に感じられるのは、田舎暮らしの良いところでしょうか。今回は、六根の「眼」をテーマに、仏さまの慈…

「楽」のお話②~いつしか春の野に咲く草花のように~「法の水茎」21

今日も風が強い一日です。本堂の廊下を雑巾がけをしましたが、次々に花粉が飛んできます。 石仏 お寺にはたくさんの石仏が安置されています。昔、さくら市の多くの方が石仏を彫られたのですが、どういうわけかその後の置き場所に困り、けっきょく普濟寺でお…

「楽」のお話①~お釈迦様の生き方、降り注ぐ花びら~「法の水茎」20

春は黄色い花から咲き始めるといます。そろそろ春本番を迎えて、お寺の庭には色とりどりの花が芽吹いてきました。 白い花 これは、コブシでしょうか、白木蓮でしょうか。新春の青空に白が映えます。今回の文章は「楽」をテーマに、お釈迦様の生涯や、空から…

「怒り」のお話②~ありのままの心で、ゆるして~「法の水茎」19

庭先を歩けば、あざやかな赤色が目に飛び込んできます。 冬の名残 お正月からの名残です。万両でしょうか。千両と万両と南天の違い。。。ぱっと見では、なかなか難しいです。今回の文章は「怒り」をテーマに、なぜ不動明王が恐ろしげなお姿をしているのかに…

「怒り」のお話①~「八つ当たり」の壁を取り去って~「法の水茎」18

花冷えが続いています。昔の写真を見ていたら、去年は4月の1日にお花見をしたようです。今年は少し足踏みしていますね。梅の花に雪は風流ですが、桜に雪が降りかかるのは。。。ちょっと桜にかわいそうでしょうか。 春の花に囲まれて 草花を見ていると心が安…

「哀しみ」のお話②~山伏の揺るぎない道心、聖なる心~「法の水茎」17

日本列島は季節はずれの寒気にさらされています。 不動明王 お地蔵さんのように見えて。。。不動明王ですね。寒さにも動じない、凜としたお姿です。今回の文章は「哀しみ」をテーマに、山伏の涙の意味について書いたものです。 ※ ※ 「法の水茎」17(2013年11…

「哀しみ」のお話①~心の揺ぎを感じる、『万葉集』の秋の七草~「法の水茎」16

いよいよ4月に入りました。 農家の皆さんも、田おこしから代かきへと忙しい時期を迎えています。 一面のスイセン お寺のお墓の隅には、一面にスイセンが咲いています。 3年前に亡くなった父が、一株一株、植えたものです。 今年もキレイに咲いてくれました。…