坊さんブログ、水茎の跡。

小さなお寺の住職です。お寺の日常や仏教エッセーを書いてます。

七日盆を前にして、流れ落ちる水音

今日も境内の池には睡蓮が咲いています。 境内の池 この池の向こうには、もう一つの池があります。全体が瓢箪(ひょうたん)のような形になっていて、真ん中のくびれたところには、弁才天(弁財天)が祀られています。私が子どものころは、冬は全面凍りまし…

普濟寺の大施餓鬼会が終わりました。

普濟寺恒例の大施餓鬼会が行われました。近隣の御住職様に御助法いただき、普濟寺お檀家様のご先祖様をはじめ、有縁無縁一切精霊を御供養させていただきました。 大施餓鬼会 この日は最高気温34度。例年暑い時期ではありますが、午前中からぐんぐん気温がう…

月待(つきまち)の掛軸、十九夜講中の如意輪観音

明日の大施餓鬼会では、昭和初期の月待の掛軸も掛けようと思っています。 月待月の出を待って拝む行事。多くは講の形で行なわれ、当日は当番の家に仲間が集まり、念仏をとなえたり、飲食したりしながら語りあう。毎月の行事であるが、正月・五月・九月に限る…

二幅の掛け軸、明治期の涅槃図と大正期の千観音仏

この度、本堂の押し入れの奥の方から、二幅の掛け軸が見つかりました。 一つは、お釈迦様の涅槃図です。 涅槃図 裏面に「明治参拾七年辰旧貳月十五日設立之ス」と記されていることから、明治37年(1904)の涅槃会にあわせて製作されたものであることが分かり…

総代世話人さんによる奉仕作業が行われました。

ノウゼンカズラが咲いています。 ノウゼンカズラ(凌霄花) 花の形がトランペットに似ていることから、英語では「トランペット・ヴァイン」(trumpet vine)と呼ばれるそうです。大きな橙色が鮮やかで目を引きます。来週3日のお寺の行事(大施餓鬼会)を前に…

亡き父の思い出を綴った「菩薩行」、日本酒「辯天」の里へ

百合が咲いています。 百合 百合の花は一段と豪華ですね。さて、今日は父の月命日です。父は平成28年(2016)8月19日に78歳で亡くなりました。間もなく3年の月日が経とうとしています。「石の上にも三年」とは言いますが、住職としてもまだまだ父には及びま…

普濟寺の大施餓鬼会のご案内

普濟寺恒例の大施餓鬼会。今年は8月3日の土曜日です(毎年8月第1土曜日)。御檀家様のご先祖様をはじめ、有縁無縁一切精霊を御供養します。 10:00から御法要11:00頃から御法話 八王子市 真福寺 岸本守正 師※写真は過去の御法話の様子です。12:00頃からお斎(…

「時間」のお話①~刹那、最も小さい時間単位~「法の水茎」85

八重の桔梗が咲きました。 桔梗(キキョウ) ちなみに真言宗智山派の紋は桔梗紋です。梅雨時の潤んだ庭に彩りを加えています。 今回の文章は「時間」の「刹那」をテーマに、刹那の善行を積み重ねる仏の道を歩むことについて書いたものです。 ※ ※ 「法の水茎…

六地蔵の土台を修復しました。お地蔵様の持ち物。

半夏の葉が白くお化粧しています。 半夏 先日の半夏生の頃(7月2日)よりも、白い部分が増してきたようです。地域のお墓にある六地蔵菩薩。このほど、土台を修復しました。 墓地へと続く道 墓地へと続く畦道の草も、きれいに刈っていただきました。梅雨晴れ…

図書紹介、娘を亡くした親の思いに胸を打たれました。

今にも降り出しそうな梅雨空です。 紫陽花の前で まるで雨宿りをしているかのようです。 さて、お寺が所属している真言宗智山派には「智山勧学会」という学術団体があります。設立の趣意は、以下のようなものです。 智山教学大会や弁論大会等を通じ若手研究…

33回忌の御法要には「杉塔婆」をお願いしています。

白ピンクの美しさです。 常緑ヤマボウシ 昨年植えていただいた常緑ヤマボウシです。通常のヤマボウシと違って、1年を通して葉が生い茂っています。まだまだ流通が少ないようです。この時期はどうしてもアジサイに目が行きますが、庭のシンボルツリーとして、…

「無常」のお話⑬~無常迅速、ちろりちろり~「法の水茎」84

やっと最新号まで来ました。これまでお付き合いいただきまして誠に有り難うございました。これから「法の水茎」のほうは、月1回の更新を目指していきたいと思います。 お地蔵さま お地蔵さまもお花を前にしてうれしそうですね。いつも見守りくださりありがと…

御縁に感謝、髙尾山薬王院の法類会に出席しました。

毎年恒例の高尾山法類会に出席しました。途中、中央線が止まるなどのアクシデントがありましたが、遅れながらも何とか八王子駅にたどり着きました。 伊奈喜 法類同宗・同派に属し、近密な関係にある寺院または僧侶。『日本国語大辞典』より 高尾山薬王院には…

「無常」のお話⑫~平成から令和へ、おめでとうの気持ち~「法の水茎」83

今日は夏至です。本格的な夏を前にして、これから少しずつ日が短くなっていくのですね。ご法事で夏至と仏教について話そうかと思いましたが、春分・秋分・冬至と違って、なかなか思いつきません。「夏」(げ)という言い方から、何か関わりがありそうですが……

「無常」のお話⑪~風に散る花、はかなさを自覚して~「法の水茎」82

アジサイが見頃を迎えています。 アジサイ(紫陽花) 同じアジサイでも、一日一日、微妙に色合いが変わっています。昨日とは別の花を見ているかのように映るのは、不思議なものですね。 今回の文章は、「無常」をテーマとして、自然の中に無常を感じることの…